同族殺し

開幕御礼、感じ方はそれぞれだから笑っていよう取り合えず

雨乞いの段取りしてる内、雨がポツリと降っちゃって

長老の顔が泥でメイキャップ 人身御供のすったもんだで踊れや騒げ

囲い囲われ囲み合い 同族嫌悪のアイラブユー


王殺しの王様が、祭司殺しの祭司と肩を組む

そうだよな、社会が俺達に人殺しをさせたんだよな

天気予報の女王様は新人いびりに余念がなくて

不吉な予言を垂れ流す 貴女は大いなる風に抱かれるでしょう


木こりの首を切り落とせ 木こりのジレンマそんなの知らぬ

斧を研ぐのは楽しいぞ その内木こりがポックリ逝っちゃって

効率化は大事だぞ そんなの知らぬ形だけのなし崩し

あの木にはいずれ花が咲くでしょう、それはそれは綺麗な花が


幕間休憩、心の奥では大わらわ、口は大いなる災いの元

もうどうせ死ぬからと、とんでもない雑言吐いちゃって

明後日だけが唯一の拠り所、雲はいつもと変わらず、もっくもく

冷や汗ダラダラ流れ出し 自己嫌悪にアイラブユー


花言葉を決めていこう パンに飽きたらケーキを食べたらいいじゃない

世代交代お早めに 生きるのに飽きたなら最後の晩餐会を始めましょ

花は繰り返し呟く 宛がわれた言葉を 枯れ果てるまで自己暗示

頭の中で花言葉が咲く それはそれは綺麗な花が咲くでしょう


この世は祭壇の上 人はみんな祭司か供物 関係性が思考に食い込んでいく

豚も羊も無礼講 牛も祝詞もモーモー鳴いて 神聖な枝葉は付け合わせ

精霊達も立食形式お試しで 移ろうて食う飯は血が巡り格別の味

谷底も大口開けていなないて 神様も帳を下ろして舌鼓


終幕挨拶、カーテンコールが最熱狂、舞台監督自暴自棄

ある時一人の青年が本音を吐いて、ふと我に帰っちゃって

脱臼脱骨切断解体 肉を削いで食う内に 我はどっかに飛んじゃって

食って食われて喰らい合い 近隣憎悪にアイラブユー

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