第24話 - キマイラ

ヴィクトーはすぐさまスキルを展開した


”意識強制”(タウント)


ジャイアントスパイダーはヴィクトーを見て威嚇をする

クレアがヴィクトーに補助魔法を使う


”防護障壁”(シールド)


ヴィクトーは勢いよくジャイアントスパイダーに体当たりをすると息を合わせるようにオーガスが脚を斬る


ジャイアントスパイダーはよろけつつもヴィクトーの盾に捕まるように抱え込む

前足を大きく振り上げヴィクトーへ攻撃をくわえようとする瞬間ニャーゴは邪眼を使った


”邪眼”


ジャイアントスパイダーの動きが止まる

さらにニャーゴは追撃で闇魔術を使用する


”影針”x2


ジャイアントスパイダーの影から十数本の黒い針がジャイアントスパイダーを貫くと力を失い、地面に倒れこんだ


あっという間に勝負がついた

ヴィクトー、オーガスは感動していた


「「おぉー!」」

「こんなに戦闘が早く終わるなんて今までなかったな?オーガス」

「そうだね、闇魔術を一度に2つも使うニャーゴもすごい」


ナ~

(尻尾の蛇も魔術が使えるからね)


「おう!すげーな!」


クレアは驚いて質問した


「あれ?ヴィクトーはニャーゴがなんて言ってるかわかるの?」

「え?いや全然わからん、なんとなく自慢してる気がした」

「へー、すごいね、自慢してたよ」

「お?やっぱり?へっへっへ、昔から動物の言ってる事を理解するのが得意だったんだぜ」

「すごーい!ちなみにニャーゴは念話じゃなくても人間の会話は理解できるの。指示があったら言うと応えてくれると思うよ」


ヴィクトーは眉を上げて返答した


「おぉ、それはまたすごいな。まぁでもクレアが指示するほうがいいだろ。付き合いってもんがあるしな、今まで通りでいい」

「ん、わかった。ありがとう」


ヴィクトーは手を挙げて返事をすると解体作業に取り掛かかっていった


いくつかの戦闘をこなしながら奥を目指して進んでいくと湧き水エリアの奥でキマイラを発見した


キマイラは寝ており、パーティは一度後退して作戦会議をすることにした


ヴィクトーが話す


「誰か先制攻撃できるか?攻撃が入ったら俺が注意を引き付ける」


オーガスが話す


「僕が毒玉を投げるよ、弱らせてから戦おう」

「よし、それでいこう」


再びキマイラのところへ戻り、オーガスが毒玉を投げる

毒玉はキマイラの顔に命中し、キマイラは飛び起きて苦しみだした

ヴィクトーは前へ出て意識強制のスキルを使うと、キマイラは怒りに満ちた表情でヴィクトーを見る


クレアが防護障壁をヴィクトーに展開し、戦闘が始まった


キマイラがヴィクトーに飛び掛かりその巨体で頭突きをするとヴィクトーは盾で受けたにも関わらず、よろめきながら後退する


「おっと、すげぇ重さだな。次は跳ね返してやる」


するとキマイラはすぐに次の攻撃へ移る、尾蛇がヴィクトーの盾を掴み、持ち上げるとキマイラは前足でヴィクトーを横に薙いだ

ヴィクトーに前足が直撃し、吹き飛ぶ


「ぐぅぅ…まだまだ!」


ヴィクトーは盾を地面に突き刺し、耐える


ベアトリスが回復魔術で支援し、オーガスは隙を見て短剣でキマイラの尾蛇を斬りつけた、さらにニャーゴがスキルで援護する


”呪眼” ”脱力”


キマイラは血を吐き、ブルブルと震え、動きが緩慢になる

回復を終えたヴィクトーは盾を構えて突撃した


「よぉし!今度はこっちの番だ!」


ヴィクトーとオーガスはキマイラを挟みながら攻撃を加える

クレアはムチでキマイラの背中の上にいる蛇を攻撃した


たまらずキマイラは横へ飛び退き、精一杯の威嚇をした後、口から火炎を吐き出した


シュゴォォォォォォォ


ヴィクトーが盾で受け止め、オーガスは後退して距離をとる

オーガスが小さな魔石をキマイラの口の前に投げ込むと破裂し、キマイラは二本足で立ち上がり前足で顔を覆う


隙を見たニャーゴは突進して尾をキマイラに向け、闇魔術使う


”影槍”(シャドウスピア)


黒い槍はキマイラの体を貫く

キマイラは大きな声で咆哮すると、後ろに飛び退き威嚇をした


ヴィクトーは驚きながらも盾を構えて前進する


「すごいな、あれでまだ死なないのか」


オーガスが話す


「さすが5級魔獣」


30分ほど格闘してようやくキマイラを仕留めることができた

キマイラを解体しながらヴィクトーが話す


「今までだったらこんな大物倒せなかった。クレアとニャーゴのおかげだな」


オーガスも機嫌よさそうに続く


「連携にもすんなり入ってくるし、他人じゃないみたいだ」


クレアは恥ずかしそうにお礼を言う


「あ、ありがとう皆がいなきゃ、あたしじゃ勝てないよ」


ヴィクトーが笑いながら話した


「ハハ、君たちさえよければ今後も一緒にやっていかないか?こんな大物を大したダメージも受けずに倒せるんだ。きっとうまくやっていける」


オーガス、ベアトリスも頷く


クレアは赤面しながらうつむき、話す


「あ、ありがとう。ちょっと…一晩考えさせて」

「もちろんだ。明日もまたギルドで待ってる、いい返事を期待してるよ」


キマイラを解体したあとは、ギルドに戻り換金した後、宿へ戻った

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