狼将軍の生贄の花嫁(カクヨム)★コミカライズ

【狼将軍の生贄の花嫁】/悠井すみれ様

https://kakuyomu.jp/works/1177354054951619232

掲載サイト・カクヨム

19万文字、完結


 婚約者を戦場で失ったエリーゼが嫁ぐことになったのは、まさかの婚約者を死なせた将軍だった。

残虐で恐ろしい狼将軍との噂を持つ男との望まぬ結婚と周囲は思っているだろう。

人々は将軍が纏う仮面の下の真実を知らない。

人々はエリーゼが心身に負った傷を知らない。


望まぬ結婚?

いいえ、そんなことはない。

エリーゼと将軍はお揃いの傷痕を持つ、愛しい共犯者なのだから──。



◇◇◇

▼個人的な見どころポイント


*将軍夫妻の幸せを祈ってしまうレベル

★★★★★

 貴族の家柄でありながら母親が娼婦のために不遇な扱いを受けてきたエリーゼは、最初は意思のない人形のようでした。

彼女の夫となるヴォルフリート将軍は自分の命を軽んじ、自ら死を望むような生き方をしていました。


 実家では意思を持つことを禁じられて使用人同然の扱いで育ったエリーゼが人として成長していく様は固かった蕾が美しく花開くようで、彼女の成長に呼応してヴォルフリートの心も雪解けの片鱗が見えてきます。


 愛を知って強くなろうとするエリーゼ、愛を知って死に抗ったヴォルフリートの夫婦にはどうか幸せになってと祈らずにはいられません。


 この結婚は政治的な思惑が絡んだ政略結婚、二人とも「ある人物」の政治の手駒……であるはずだった(過去形!!)

「ある人物」の誤算はきっと、エリーゼとヴォルフリートが心を通わせ合ってしまったことにあるでしょうね。


 後日談は全力ニヤけます(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

ヴォルフリート様さ……エリーゼちゃんにベタ惚れじゃん❤️

エリーゼが可愛くて仕方がなくて大事にしたいのに、最近は己の欲望を抑えるのが大変なんだよ、なんでうちの奥さんこんなに可愛いんだ手を出したくなるじゃねぇか、でもまだ早いよなチクショウッ理性総動員がんばろ!みたいな(笑)


ヴォルフリート様の悩みが作者様の豊かで繊細な心情描写で伝わってきますし、ヴォルフリート様の隣に寄り添うエリーゼちゃんがはちゃめちゃに可愛く描写されています。


 嫁いできたエリーゼを先住猫のように威嚇する使用人のミア、ヴォルフリートの世話を焼きたがる伯爵様など、サブキャラにしておくにはもったいない個性派キャラ達も見どころ🍀

 

 私は不遇ヒロインやシンデレラストーリーは正直そこまで好みではなく、ヒロインの性格や展開によっては拒絶してしまうカテゴリでもあります。(本家である童話のシンデレラもそんなに好きな話ではない……) 


不遇なヒロインを溺愛する完璧なスパダリヒーローも良きではありますが、不遇ヒロインと一緒に成長していく不器用なヒーローに愛しさを感じます。

ヒロインも悲劇を背負って泣いているだけのか弱い女の子ではなく、精神的な強さを身に着けて困難に立ち向かえる女の子を応援したくなります。


 【狼将軍の生贄の花嫁】はまさに、選り好みの激しい私の好みドンピシャの物語でした。

素敵な作品との出会いに感謝です✧

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