エーデルシュタインの恋人(カクヨム)

【エーデルシュタインの恋人】/深見アキ様

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889318156

掲載サイト・カクヨム

13万文字、完結


 金で爵位を買った成り上がり貴族の娘、メリルローザは、父から叔父の養女になってくれないかと頼まれた。亡き母の弟で男爵の地位にいる叔父と縁を繋げば父や実家のためになる……。

家族のために渋々、宝石商を営む叔父の屋敷に向かったメリルローザだったが、どうやらその叔父は変わり者のようで?


そうなんです✧✧

上手い話には裏があるものなんです。

上手い話にはもれなく美貌の精霊といわくつきの美術品がついてきます。


叔父の屋敷でメリルローザを待っていたのは宝石【レッドスピネル】の精霊、ヴァン。

ヴァンとの契約に必要なのは……処女の血〜〜〜!?


「今日から俺の主はお前だ」


え、いやいや話が違う。

いきなり○は吸われるし、精霊の主人にはなるし、呪われた美術品の事件に巻き込まれるし!!

……なんてこった。(ノ´・ω・)ノ ミ ┻━┻



◇◇◇

▼個人的な見どころポイント


*「はれんち」連呼レベル

★★★★★

 ヴァンの能力は浄化。その力で彼は呪われた美術品を浄化していきますが、力を使う時は対価として主(メリルローザ)の「血」が必要となります。

どうやってメリルローザから血を貰うかって?そりゃあねぇ……?


 破廉恥で過保護なイケメン精霊のヴァンがメリルローザの血を吸う時の吸血シーンがたまらなくけしからんのです。

「けしからん」と「はれんち」を連呼しながら吸血という名の濡れ場をじーっと凝視しておりました。


 首筋を噛んで血をチューっとしてるだけなんですよ?でもその行為がやけに官能的で……これはこれは、ごちそうさまでした♡と言いたくなりました。

にやにや、によによ、いいぞもっとやれ(やりすぎはメリルローザちゃんが貧血になってしまう)


 ヴァンの前のあるじだった大叔母さまと自分を比較して悩むメリルローザちゃんには、CLAMP作品の【カードキャプターさくら】のさくらちゃん味を感じました。(わかる人に伝わればいいネタ)



*キャラ立ちと会話文のテンポの良さレベル

★★★★★

 主人公のメリルローザも彼女を取り巻く人々も抜群にキャラが立っていて、今が誰と誰のシーンなのかがわかりやすいです。


 現金な父親、喰えない叔父、宝石に宿る精霊のヴァンとフロウ、勝手にライバル視してくる同級生などなど。

メリルローザの周りの人々のキャラがとにかく濃い。

そしてその濃いキャラの人達に負けない勝ち気なお嬢様が主人公のメリルローザちゃんです。


 メリルローザちゃん私の大好きなタイプ❤️

あと私、もちろんヴァンも好きなんですけど、メリルローザちゃんの叔父さまがタイプ過ぎて困りました。ああいう腹に一物も二物も隠し持ってる大人の男の色気に弱い……。


第二章のヴァン視点【レッドスピネルの独白】場面の叔父さまにまんまと落とされました。きゅん。


 深見さまの文体は個人的にとても読みやすかったです。

内容がスラスラと頭に入ってきてくれますし、メリルローザとヴァンが宝石の呪いを解くためにドイツの街を駆け巡る様を自然と映像として思い描けました。


赤い薔薇、赤い宝石、赤い血。

人と精霊のたった一時の交わりだとしても、赤で繋がれたこの縁を私は赤い糸と呼びたい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る