眠れる森のロミオ

【ノーブルチルドレン】シリーズ/綾崎隼

メディアワークス文庫、全六巻(本編部分は四巻まで)


 こんなにやる気のない王子様役はいない。

こんなにやる気のない探偵役もいない……?

森博嗣のS&Mシリーズの犀川さいかわ先生もやる気のない探偵役だったけど。やる気のない探偵役は意外と多いのかもしれない


 実写化するなら私のイメージに近いのはロミオ役が吉沢亮でジュリエット役が中条あやみ。

因縁のある一族の跡取り同士の高校生の男女が、学校で起きる奇妙な事件を颯爽と解決する青春ミステリー……とは一味違う。


 これは青春でも学園ミステリーでもない。

重たい。けっこう、かなり、重たい。

ロミジュリ二人の関係もじれったい。


 綾崎隼先生の別シリーズ【花鳥風月】シリーズや他作品とも関連があったり家系図&他作品との関連の年表を自作したり、綾崎隼ワールドにハマればしばらく抜け出せなくなる。


 残酷、告別、断罪、愛情……シリーズが進むにつれてロミオが追い詰められる。

第三巻の【断罪】と第四巻の【愛情】はひたすら苦しい。

でも【告別】も悲しかった。

一晩で読みきって泣いたもん。


 まず先に花鳥風月シリーズを読んだんだよね。そこから関連シリーズのノーブルチルドレンへ。

このシリーズが面白いのか確証もないのに、シリーズを五冊一気にまとめ買いして夜な夜な読み耽っていたのは、確か4年前の10月の頃。

肌寒い夜に布団にくるまってノーブルチルドレンな彼らの人生にハラハラしていた。


 眠りから目覚めた吉沢亮はひたすら苦悩し、中条あやみは壁をぶち壊して破天荒に暴れ回る。

現代版ロミオとジュリエット。

迎える結末はハッピーエンド?バッドエンド?

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