第11話

【言葉】ってさ、まるで呪いみたいじゃない?

 いったん口にしちゃうと世界じゅうに拡がって、もう元には戻れない。

 いくら躍起になって回収しようとしても、もう手遅れなの。

 口にしたことは、『ほんとう』にしなくちゃいけない。

 狼少年の結末を知ってるでしょう?

 口にしたことはちゃーんとその通りになるから、私は口にしない。

 声に出したらなにもかもが、【本当のこと】になってしまうから。

 だから私は――――〈嘘〉を吐くの。

 それが【ほんとう】にならないように。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る