パワーアップキッドも搭載済の俺ですが、幸運の女神までついています。
【スマートシティ豆知識04】
未来都市、スマートシティ。人間のランクを決めているのはスコア。市民にはスコアに応じて毎月決まったポイント(P)が与えられる。Pは趣味を謳歌し贅沢をする際に流通する。現在の価値に換算すると、1P=100円程度である。
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AI界。私に謁見を求める幾万ものAIたちが集合している。少し待たせて、続きを見ることにした。
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午後一番、第4部の少し前。俺を呼んだのが居候兼専属モデル、泣く子も黙る神保麻衣。ショートヘアがキュートな15歳11ヶ月。屈託のないロックな受け応えが大ウケのベテラン。常連さんが最も多い、売れっ子モデルだ。
「おーい! 清坊、こっち来てくれっ!」
「はいよーっ」
実は1年くらい前、マンネリ化したのか人気が下がったことがある。それで大胆で刺激的な衣装に変えたところ、性格と相まって人気を取り戻したんだ。お母さんがアドバイスしたんだって。
それが今日は一周まわってかわいらしい浴衣での撮影依頼があった。麻衣は、今朝からずっと張り切ってる! 俺は、麻衣の部屋に連れて行かれた。
「麻衣、今日もクールじゃん! とってもいいよ」
俺はそう言いながら麻衣の前に顔を出した。元々顔立ちのいい麻衣に、緊張する俺。けど、顔を真っ赤にしたのは、俺ではなく麻衣の方だった。そっと目線を外す仕草は反則級にかわいい。しかもセリフはもっと反則。
「おっ、おう。あんがとよ。それより着付け、手伝ってくれ!」
「そっ、そういうのはもう……。」
何だって着付けなんかを俺に頼むんだ! あれっておっぱいを直に触る作業じゃん。たしかに俺は、おっぱい星人だし6歳の頃からお母さんに着付けを仕込まれている。数年前はよく、麻衣の着付けの手伝いをしたもんだ。
けど俺ももう15歳11ヶ月。年頃の男子。そんなの、恥ずかしい。
「……お母さんか麗に……あっ!」
そこまで言って思い出した。麗はもう単なるお手伝いじゃない。立派な被写体、商業モデル。しかもこの時間はお母さんに連れ添われてロケ中。他にスタッフはお父さんがいるけど、カメラマンさんの相手で忙しい。
どうしようこの状況。俺がやるしかないのか。俺は覚悟を決めた。
「分かったよ! 麻衣らしいかわいい写真になるよう、手伝うよ」
「オッ、オレは別に……かわいくなんか……ないぞ」
麻衣はさらに顔を赤らめてそう言った。恥ずかしがってるときの麻衣、グッとくる。普段とのギャップがたまらない。本人は気付いていないみたいだけど、今日のカメラマンさんはそういうのを期待しているんだと思う。
ご相伴に預かれて、俺ってラッキー。幸運の女神に感謝だな。だから俺は、猛プッシュした。
「いいや。麻衣は、かわいい。めっちゃかわいい!」
「ば、ばーろーっ! 人を揶揄うんじゃねぇぞっ。オレももう大人なんだから」
麻衣はたしかに大人だった。胸なんかも、細身のせいか大きく見える。七瀬ほどの迫力はないけど、張りもしっかりキープ。ヨガやったりして努力してるもんな。よし、浴衣姿がかわいくなるように、しっかり着付けるぞ!
俺だって恥ずかしいのは山々。だけど、それは麻衣だって同じ。俺は渾身の着付けをした。その甲斐あって、麻衣も気に入ってくれた。着付けが終わると俺の前でくるりとまわって、にっこりと笑ってくれた。
「よしっ。ちょっと試してみてくれ」
「えっ?」
「だから撮影だよ。さ・つ・え・い!」
何でそうなんのかはよく分からないけど、俺、がんばる。俺は麻衣を撮影用の寝室に連れ込んだ。ここならきっと、麻衣の素がでてくるに違いない。思惑通り麻衣の恥じらう表情を撮影できた。
撮影のあと、麻衣が言った。
「清坊は、浴衣でデートとかって、憧れたりしないのか?」
麻衣、随分とまた大胆な物言いだこと。俺ははっきりと言った。
「憧れるなぁ。俺の場合、着付けができるから、ドンとこいなんだよ」
「そうか。それは頼もしいな」
「えっ?」
「いや、何でもない。撮影、あんがとよっ! オレも着付け習おっかな」
「それはいいね。一緒に着付け王を目指そう!」
「そんなことより、飛鳥から予定を聞いたか?」
飛鳥から? 何のことだろう。あっ、そういえば今度の何曜日かがどうたらとか言ってたな。よく覚えていない。あとで飛鳥に聞いておこう。俺はこくりと頷いて、その場を繕った。
ちょうど時間。俺は麻衣を撮影用のリビングに連れて行った。かわいらしいモデルの登場に常連カメラマンさんもハイテンション。よかった、よかった。
次に俺を待っているのは飛鳥の現場、撮影用のバスルーム。現在、水着で撮影中。お届けするバスタオルは小さめでもオッケー! お次は七瀬のいる屋上。日傘を持っていくんだ。
それから、それから……。今日は本当に忙しい。何てったって、看板娘の居候専属モデル3人が揃い踏みだもんな! しかもラスト2枠はスペシャルイベント! 俺の身体はいろんな意味で大忙しだ!
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ここまでお読みいただきありがとうございます。
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