第14話 初のデート回のはずだったんだが
ㅤㅤㅤㅤㅤ―― Side
――
昼食を終えた午後、私たちは
登下校中になぜか道を聞いてくる奴が多かったとか。
そう、直ぐ近くにコンビニがあるのに、敢えて駅やコンビニの場所を道行く人に聞くのは不自然だ。
これは要注意事項。.
それでも本当に道を困ってたらと思ってコンビニの場所は教えてあげる親切心。
甘いぞ
今のご時世、無意味そうに思える道を聞いてくる奴なんて通報案件だ。
学校の登下校という事は、制服を着ている、明らかに女子学生だと解ってて聞いてきている。
警察でなくても学校に報告案件だな。
防犯は警戒が重要だ。
月曜日に学校行った時に報告しておこう。
今度そんな奴に出くわしたら駅やコンビニの場所を教える代わりに交番の場所を教えてやれと
道を教えてくれる交番の場所を教えてあげるのは親切です。
なんなら直で警察呼んでもいいんじゃないか?
警官に道に迷って困ってる人に声を掛けられたんだと相談してもいいと思います。
あくまで善意です。
相手も本当に道に迷ってて下心が無ければ問題ない筈だよね~?
そのまま、
なんとなく点けてるTVでは旅番組で旅先のご当地グルメや温泉を紹介している。
夏休みはいつもわたしん家と
今年もどちらからとなく計画が持ち上がるだろう。
楽しみだ。
明日は日曜日だし、デートする事を提案する。
以前付き合った時はこれと言ってデートらしき事をしていない。
この辺改めていかないと。
ふと、気が付くと、香子がウトウトと舟をこぎだした。
昨日夜更かししたし、仕方ないね。
その抱えるのわたしにしませんか?
クッションを取り上げ抱きついた私を、
昨日と違って今日はキスしても良いかな?
良いよね。
ガチャ
ペタペタ
ドアが開く音と歩くスリッパ音。
そう、この家には私と
ホラーより怖い、生きてる人が。
私は寝落ちした香子に抱きすくめられてるので動けない。
顔だけ音のする方に向ける。
私たちを一瞥すると冷めた目で見られた。
母親から見れば、娘が他所の子にソファーで押し倒されてる構図。
しかも娘寝てる。
問題大ありです、はい。
「あの、その、これは・・・・・・」
焦るわたしをよそに、無言でトイレに行って、無言で部屋へ戻っていく。
無言が怖い!!
なんでまたこんなタイミングで出くわすかな!?
取り合えず、気を取り直して、先ほど中断したキスを、寝ている
ああ、柔らかい。
離したくない。
ずっとしていたい。
もうこの唇はわたしの物です。
長い事重ねていた唇を離し、
今迄も頬を触る事はあったけど、なんだか違う感じがする。
勿論気のせいかもしれない。
触覚での違いでなく、心情的なものかも。
私たちの関係は変わった。
幼馴染であり、親友であり、今は恋人同士。
この感情に気付かなかった以前、それでも私は
能天気に幼馴染だしずっと一緒だと思ってた。
ただの幼馴染、ただの親友がずっと一緒にいられるなんてそんな事ないのに。
どちらかに恋人が出来れば少しなりとも “ずっと一緒” じゃなくなる。
お互いが恋人が出来ればなおの事。
そんな事、考えてもいなかった。
危なく
能天気な自分が恨めしい。
でも
私も
後悔は胸に刻んで、もう同じ過ちをしなければ良いだけだ。
これから大切にするよ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ≫≫≫≫≫≫
翌日。
二日続けて
日曜日の今日は
折角のデートだからと、一旦家に帰ってよそ行きの服に着替える。
「おかえり~」
待ち構えられてた。
厄介な人に。
昨日は着替えを交換しに帰った時は上手く合わなかったから、どうせ今日こそはと思ってたんだろう。
暇人だな~。
「ただいま」
「で、どうだったの!?」
「何が?」
「もう!
「別にいつも通りだよ」
「えー?」
ジト目で見てくる。
「ところで、
付き合ってるって事をかな?
「あぁ、うん・・・・・・・」
「何か言ってた~?」
「うーんと、同性同士の恋愛は世間が厳しいし、今の法じゃ結婚できないし、将来的にそれを目の当たりにして別れるような話しは聞きたくないから今覚悟を決めろ、って。後、孫が見たかったって。
「へー
「ひどい」
楽しみにされるのも嫌だけど、楽しみにされないのもそれはそれで悲しい。
どちらにしろ
「
「嫌だからね?」
「まだ何も言ってないけど~」
「絶対
「うーん、仕方ない。そこは諦めよう。後は体外受精とかiPS細胞の今後に期待かな~?」
「孫は諦めないんだ」
「夢はあった方がい良いでしょ!」
「変なのを夢に持つのもどうかと思う」
「孫を夢に持つのが変なの!?」
「わたしに産ませたいって話じゃないよね? わたしと
「そうだね。そりゃ
「だよね!?」
「でも
「なにそれ。実子でもない、他所の
本音言うとわたしも
でも
「自分の実子と付き合ってるならもう他人じゃないよね! 私の
「すっごい飛躍!」
「まあ、半分冗談だけど」
「10割り本気だよね!?」
「今は
「満足するとかそんな話じゃないよね!?」
「で?
「え?」
「だって
「そ、そうかな?」
「
「え・・・・・・」
「
「それは待って! 言う言う! 伝えておくから!」
「そ、じゃあ楽しみにしてるから~」
しかし、完全に母のペースに持ってかれた。
はぁ。
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