第12話 そして傍に

※性描写有り・R15




ㅤㅤㅤㅤㅤ―― Side なつ ――



――こう母と話しを終えた後、わたしはさりげなくこうの部屋に誘導した。


スイッチが入っているのを我慢していたが、そろそろ限界だ。


勘ぐりもせずに私を部屋へ通すこう


もっと危機感を持って!


に油断しないか心配。


今目の前にも一匹の狼が!

ふふふ、わたしは受け入れてもらいますよ?


部屋へ着くとこうはまだ報告していない父親達の反応を気にしていた。


ちょっ――――と我慢できないので、適当に話を終わせる。



「それより、・・・・・・キスしたい」


グッとこうに迫る。

拒まれないのは解ってるけど、誠意として許可を取る。

いいよ、と許可が出たので早速頂く。

重ねるだけじゃ物足りない。

舌を入れ吸い上げる。

こうも絡めて来てくれる。

お互い吸い合った。


深いキスの仕方、解らないと思ってたけど、衝動の赴くままにやったらそれらしいのが出来てる気がする。

本能って凄い。


キスを唇から、頬、首筋へと移動しなが時には舐めたり吸ったりしながら繰り返しスタンプする。

そして見えてきた非常に魅力的な鎖骨にむしゃぶりつく。


 ああ、こう――。

 こう――。


「――なつ――、なつ――」


夢中だったせいか名前を呼ばれてたことに漸く気づいた。


泣てる。


こうが泣てる。


え!?


「え!?」


嫌だったのかな!?

それとも痛かったとか??


「な、なんで泣いてるの!?」

「解んない」


わかんないって言われても困る。

えーと、どうすれいいの!?


「多分、嬉しいから?」


 っ。

 〜〜。


 はぁ〜。


「そっか」


よかったぁ〜〜!


本当によかった。

疑問系なのが気になるところだけど、こう自身がハッキリとはわかってないみたい。

行為が嫌でないのならやっぱり嬉しい時の涙だろう。

いや、涙は、悲しい時に一番出る気がする。


こうは?


こうと目を合わせてジッと観察する。

感情をあまり顔に出さないこうでも、今は出来上がった顔をしている。

嬉しい?

それにしてはどこか悲しそうな、うれい? いや、うれい? を帯びたような・・・・・・。

切なそうな、が一番しっくりくるかな。


胸をかきむしりたくなる。

その顔を、わたし以外誰にも見せたくない。

誰にも渡さない。


嬉しさと共に切なさも入り混じった涙。



「好きだよ、こう


もう、切ない思いはさせない。

こうの涙を指で優しく拭う。


「私も。好きだよなつ


そう言って頬えむこう


もう昨日までとは違う。

気持ちは重なっている。

わたしは、今、こうの心に、触れている。



心を、身体を求める。


キスを。


もっと先を。



こうの、唇に、首に、胸に、腰に、と、兎に角あらゆるところにむしゃぶりついた。

泌部に手を這わせれば悶えるこうが可愛い。

感じて鳴く声も可愛い。

それだけでも酷く興奮する。

達した顔も凄く唆る。


これは無限ループの予感。

でもまだ最後の秘境が残っている。


「入れていい?」


こうの一番大事な部分。

大事なことなので許可を取ります。


完全に出来上がった顔でいいよと言われてわたしの股間もキュンとなる。





こうの反応を見つつ指を挿し入れる。

痛がるような直ぐに止めれるように。

身じろぎして反応を示すけど痛がってるか解らない。

拒否られてないので続けて良いと判断して更に奥へ進める。

人差し指と中指、指の付け根まで沈み込ませた。


わたしの指がこうの大事な部分の奥にまで入っている。

実感。

こうに許されたからこそ出来ている行為。

わたしはこうに、誰よりも心と身体を許されている。

その実感で感情が昂ぶりそうになる。


痛がらせるのが怖くてこうの様子を見ながらゆっくり出し入れする。

こうは少しずつ息が荒くなり身体を大きく跳ねさせた。

わたしの手でこうをイカせられた時の安堵感と達成感は半端ない。


こうは荒い息を整えるとわたしの泌部に手を這わせた。

全身が痺れ感覚。

こうの指は的確にわたしの感じる部分を攻め立てる。

自分自身のそれじゃ受けたこともない強い刺激がわたしを襲いあっという間に達してしまう。


その後もこうは、休憩を入れわたしの様子を見ながらわたしを何度もイカせた。

いつの間にやら上下・攻守は入れ代わり、わたしはこうの下で息も絶え絶え状態。


ちょっとこう、上手すぎやしませんか?

他人との経験を疑うわけじゃないけど。


こうも私に入れていい? と、聞いてきのでいいよと返す。

遠慮がちにこうの指がわたしの中へ浸入する。

痛みもあるけど、快楽がその上を行く。

自分でも入れたことのない奥、こうの指がまたも的確にわたしの感じる部分を攻める。

奥は変な感じがするだけだけど、入口は感じている事がこうには確実に解っている手つき。

次第に、奥、入口、外の突起、と同時に攻められ強い刺激に全身が跳ねて達する。




こうはまた休憩を挟み、今度はわたしの片脚を持ち上げると、わたしの泌部にこうの泌部をあてがった。

途端、今までと比べものにならないほどの刺激に襲われる。

こうが意識的に腰を動かしているのに対して、わたしは自然と腰が動いてしまう。

こうの押し殺した喘ぎ声が、あのこうの感じている顔が、心を埋め尽くす。

多分わたしの方は、はばかりもなく喘いでいるのだろうがそれどころじゃない。

頭の中がまっしろになる。

強い刺激に身を委ね、断続的に襲ってくる絶頂、何度も連続で達した。




人生初のSEXで、人生初の連続イキを味わって、わたしは意識を手放した。



ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ≫≫≫≫≫≫



目を覚ますとまだ暗かった。

隣に眠るこう顔を眺めると言い様のない多幸感が心を満たす。

目元に涙が浮かんでいる。

今度こそ幸せからくる嬉し涙だと感じる。

瞼にそっとキスを落とす。

涙を舐める。



もう一度寝よう。

おやすみこう




朝、何か動く気配がして目を覚ます


「ごめんなつ、朝ご飯の用意するから先起きるね」



まだ寝てていいからー、とこうの声がして徐々に意識が覚醒する。


ここは――、

そうだ、こうの部屋で、こうのベッドの上だ。


・・・・・・こうの香りがする。

当たり前か。

全身気怠さが残る原因を思い出して一人悶えた。


しばらくして、朝食の用意が出来たと呼ばれる。

普通なら用意を手伝うべきなのだろうが、わたしが料理が壊滅的な上に、台所に誰かが同時にいる事をこうが嫌がる。

邪魔なんだそうな。

小学生の時からすでにそう言っていた。


リビングに行くと二人分の朝食が用意されてる。

トースト、サラダ、スープ、オムレツに厚切りされたチーズとカリカリベーコンが添えてある、洋風で実に美味しそうな料理だ。


「ごめん、昨日ご飯炊かなかったから洋食になった。ミルク粥ならあるよ」

「全然大丈夫。普段和食だから新鮮」


こうのエプロン姿、可愛い。


因みにこう母は仕事で籠もりたいので朝食は部屋でとるそうだ。

ミルク粥もこう母用に作ったものらしい。


二人で食卓を囲む。

何だか新婚さん気分。

母が(わたしの)嫁に欲しがった気分がわかる。

元から美味しいこうの料理が、今日は今までとまた違った意味の関係性で二人一緒に食事をしている、それだけで余計美味しく感じる。


食事が終わってこうは後片付けを軽く終わらせると、二人分のコーヒーをテーブルに置き、三人掛けのソファーに座るわたしの隣にちょこんと座った。


もう! 

また無警戒に愛らしさを振りまくー!


後、隣に座ったのも無意識かもしれないけど、でもすぐ隣に座ったその距離感が無性に愛おしいくなった。


わたしは衝動を抑えず・・・こうを抱きしめた。


「ふにゃ!?」


え?

今のこうの声?

猫? 猫なの!?

いや、多分、うわって言うのを噛んだんだろうけどさ、ちょっと可愛すぎない!?

抱き着いたから顔見れなかった、おしいことした!!


「!? どうしたの?」


突然抱きしめられて驚くこう


「隣に座ったから」

「隣に座られたら抱きつくの?」

「だってこう、この間向こうのソファーに座ったじゃん」

「あぁ」


そう、この間は、まるで避けるように、って言うか実際避けられたんだろうけど、離れた所に座られた。


「だから、隣に座ってくれたのが嬉しくて」

「 ・・・・・・ごめん」

「いんや、嬉しいんだって!」

「そっか、それなら、うん。良かった」


こうはなんかあまり釈然としないみたいだけど納得したみたいだ。


抱き締めていた体を少し離してこうの顔を覗き込む。

目は、不安はない、そう言っている。


うん、可愛い!


ヤバい。

キスしたくなった。


こうが顎を少し上げる。


これはしていいってことだよね?


わたしがキスしようとしたらこうも顔を近付けてくる。


どちらからともなくキスをした。


もう、する事前の許可はいらない。

私達はお互いがお互いに踏み込んだ関係なのだ。


キスし終ってから少し経ったけど・・・・・・。


離したくない。

しばらく抱き締めたままでいよう。


不意に、こうがわたしの肩に顔をグリグリ擦り付けてきた。


何コレ超可愛い!


抱き締めた腕の力を少し強くする。

こうも強めに抱き締め返してくれる。



じ〜んと嬉しさが込み上げてくる。


嬉しかったからこそ気づく切なさ、感動。

こうの昨夜の涙の理由はおそらくこんな感情。


これからは純粋な嬉しさ・喜びで塗りつぶして行こう。


悲しいことなどからは一生避けられるとは勿論思っていない。

でも、それ以上の喜びを与えて塗りつぶしてみせる。


昨日のに一つ追加で、覚悟を心に刻む。




もう手放したりしない、絶対に――






ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ―― Side なつ ――

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ第一部 完


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