第11話 想いの果てに

※性描写有り・R15


ㅤㅤㅤㅤㅤ


ㅤㅤㅤㅤㅤ―― Side こう ――



――母と話した後、私たちは私の部屋に移動した。


「お母さん、一応認めてくれたみたい」

「正直めっちゃ怖かったけど良かったよ」


蓋を開けてみれば、中々の甘々判定だったね。


「後は、私のお父さんとなつの両親だね」

「あ、うちの母さんにはバレた」

「え、そうなんだ・・・・・・。で、どんな感じだった?」

「なんか・・・・・・めっちゃ喜んでた」

「?」

こうがついにうちの子にーって」

「えー?」

こうみたいな娘が欲しかったんだって」

「娘いるじゃん」

「わたしはお呼びじゃないらしい」

「ふふ、何それ」

「あと、父さんもまだ話してないけど多分似たり寄ったりな反応だと思うよ」

「じゃあ問題なし?」

「たぶんね」

「じゃあ、後はうちのお父さんか・・・・・・」

「むせび泣かれるかもよ・・・・・・、孫見たかったって」

「ああ。お母さんもそれ言ってたもんね、淡白そうに見えて。孫ってそんなに魅力かなー」


正直、父に反対されても単身赴任中だし、2年後ぐらいには海外赴任だし、物理的に干渉出来ないから押し通す事も出来そうだけど。

でも彼氏出来たっていう方が絶対怒りそう。


「男に取られるよりは良いって言いそうな気がする」

「それわたしも思う。おじさんもこう猫っ可愛がりだったし」


否定出来ない。

娘にはやっぱり甘い、甘やかされてる自覚がある。


「理解を示してくれると良いな」

「そうだね。まあそこは母さんたちとも相談しよう」

「うん、そうだね」


まあ、あまり色々想像出来ないから出たとこ勝負かな。



ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ≫≫≫≫≫≫



それより、となつが迫ってきた。


「キスしたい」

「―良いよ」


なつからのキス。

なんだか昨日から積極的な気がする。

以前付き合ってた時は、殆ど私からだったけど。


「ん」


舌。


入ってきた。


絡めてくる。


絡め返す。


吸われる。


吸い返す。


「んん」


はぁ。


吐息が漏れる。


お互いの舌を絡め吸い合う。




どれぐらいそうしていたか。

唇が離れたと思ったらベッドに押し倒された。


「この先がしたい。いいよね?」

「うん、良いよ」


なつが私に覆いかぶさってくるとまたキス。

何度か唇を重ねるキスをすると次第に首筋に移動し舐められる。

ゾクゾクする。


「――こうこう


なつは私の鎖骨に唇を這わせながら私の名を何度も呼ぶ。


求められているという、実感。

涙が溢れる。


ほんの昨日まで手に入らなかったものだった。


以前付き合ってた時は求められる事は無かった。

自分の知らなかったなつの気持ちを友人から教えられた時も、別れを切り出した時も、なつが彼氏さんと付き合いだした時も、彼氏さんとキスをしているのを見た時も、その度に突き付けられる現実。


私はなつに選ばれない。


ほんの昨日まで手に入らないと思ってたものだった。


それが今、私の名を何度も呼んで求めてくれる。

嬉しさと、悲しさと、切なさと、愛おしさが溢れる。


最近私、何か涙脆い気がする。



私もなつの名を呼び、なつの首に腕を回す。



「っ! え? な、なんで泣いてるの??」


途中、私が涙を流している事になつが気付き狼狽する。


「わかんない。多分、嬉しいから?」

「〜、そっか。・・・・・・それならよかった〜」


はぁ、と安堵のため息を出しながらなつは私の涙を指で拭う。

自分でも解らない。

多分、嬉しさと、悲しさと、切なさと、愛おしさ、そのどれもの涙だろう。

でも、悲しみも切なさも過去の事で、今嬉しいのは事実だ。

愛おしい。



しばし見つめ合う。


「好きだよ、こう

「私も。好きだよなつ


何度目かの告白。

お互いの気持ちを重ね合う。


どちらからともなくキスを始め、お互いの名前を呼び合う。


なつの吐息が荒くなる

途中でお互い裸になって抱き合った。

肌と肌が触れ合うだけで気持ちい。

何度もキスをし、お互い求めった。



「入れていい?」


優しいなつは都度確認してくれる。

良いよと答えると、気遣いながらもゆっくりなつの指が挿し入れられる。

既に滴る程濡れたそこはさしたる抵抗もなく指を受け入れる。

徐々に、自分でも入れた事無い深い部分に浸入する。

痛みと快楽が同時に訪れ甘く痺れる感覚。

ゆっくりと快楽に溺れる。


私も同時になつの泌部へ手を這わせる。

泌部をなぞる私の手で反応するなつが胸を締め付けられる程愛おしい。


私も、

「入れて良い?」


と確認を取る。

いいよとの返事を貰い、なつの泌部に自分の指を沈める。

指の付け根まで差し込んだ時は、言い知れぬ高揚と感動があった。

細心の注意を払って指を奥に入れ、なつが反応する場所を攻める。

私の指で、舌でなつをイカせた時の喜び。

最初私に覆いかぶさってたなつがいつの間にか私の下で荒い呼吸を繰り返している。

もう何度達した事か。


後最後の一線、お互いの泌部同士を合わせる。

これまで以上に背筋に電流が走ったような感覚。

これは凄い。


ただでさえ敏感になったそこの刺激は増幅されているのに、指や舌より、お互いの泌部を当てた時の刺激のが断然上だった。

ぐちゃぐちゃと、お互いのいやらしい液で卑猥な音が立つのも気にせず動く。

擦れる度にお互い穴が締まる。

それがまた刺激となる。


襲ってきた限界が断続的に続き何度も達した。



好きな人と結ばれると言う事は、体にも心にも響く。




気付けばなつは、もう・・・・・・無理・・・・・・と意識朦朧もうろう

やり過ぎたと一人後悔するのであった。




私も脱力してベッドに身体を沈める。

あちこちの筋肉が悲鳴を上げている。

多分なつも同じだろう。


これ、明日絶対筋肉痛だ。


二人共だからお相子様って事で良いよね。


私も次第に眠気が襲ってくる。

隣で眠るのは、一度は諦めた最愛の恋人。

なつの顔はまだ少し紅潮したままだ。


その頬にキスをする。

胸いっぱいに恍惚感が広がる。




また自然と涙が溢れてきた。



ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ≫≫≫≫≫≫



朝になり、まだ隣で寝てるなつに一声かけて朝食を作りに行く。

痛たた、やっぱり筋肉痛だ。

軽くストレッチして朝食を作りなつを起こした。

二人で朝食を済ませる。

母は部屋に籠もりきりでご飯も部屋でするとの事だ。


食後、二人分のコーヒーを入れテーブルに置き、ソファーに座るなつの横に腰を下ろした。

すると何故かなつにいきなり抱き締められた。


「ふにゃ!?」


結構強い力だったので肺が押されて変な声出ちゃった・・・・・・。

恥ずかしい。


それはそうと、まだ朝だし、 “そういうの” ではないと思う、どうしたんだろう??

驚いたので訪ねた。


「!? どうしたの?」

「隣に座ったから」


? 


隣に座ると自動的に抱き付く事になるのだろうか?


「隣に座られると抱きつくの?」

「だってこう、この間向こうのソファーに座ったじゃん」

「あぁ」

「だから、隣に座ってくれたのが嬉しくて」


あぁ、そうだった。

なつに顔を見られたくなくて、敢えて離れた場所に座ったんだった。

もしかしたらなつを傷つけていたのかもしれない。


「ごめん」

「いんや、嬉しいんだって!」


嬉しい・・・・・・のなら良かった。

これは俗に言う、拗ねてたってやつかな?

私が昨日離れて座った事に関して。

うん、可愛い。


「そっか、それなら、うん。良かった」


しばらく抱き締めてくれてたなつが、腕を緩め少し体を離して私の顔を覗き込んでくる。


ああ、これはキスしたいのかな?


なつの顔に少し顔を寄せるとなつも目を閉じて顔を寄せてくる。

そのままキス。


しばらく抱き締められたまま離して貰えなかった。



小さい頃から感情豊かで、興味あるものに積極的ななつの性格は、こういう事にも遺憾いかん無く発揮はっきされてるみたいだ。


以前付き合った時はそんな事はなかったから、思い切って聞いてみる。


「ねえ? いきなりなつからのスキンシップが増えけど、前に付き合った時はしなかったよね? あの時はやっぱり、私に興味無かったからだよね?」

「あの時はどうすればいいか解んなかったし、自分が何したいかも解らなかったし、兎に角恥ずかしかったから・・・・・・、わたしから出来なかった」

「じゃあ今は恥ずかしく無くなったの?」

「そうだね。あの時は自分の感情すら解ってなかった。で、こうと別れて、彼氏・・・元彼―と付き合ってる間あんまり会ってなかったけど、久しぶりにこうに会って自覚した。こうれたいさわりたい! て感情が爆発した」

「ば、爆発!?」

「うん。つい一昨日のことだけど、本当はこうと話して最中も押し倒したくてしょうがなかった」

「へ、へー」


何と言う爆弾発言をかましてくるのか。


「だから、なんていうか、吹っ切れて恥ずかしく無くなった」

「そ、そうなんだ」

「もう我慢しないから。これからは一杯こうに触れたい」

「う、うん」


こっちのが恥ずかしい。

私も吹っ切らないとダメかな?



前からやりたかった事。


抱く締めてくれるなつに顔をグリグリ押し当てる。

色々甘えてみたかった。


なつの腕の締め付けがより強くなる。

答える様に強く抱きしめ返す。


なつの温もり。

なつ心臓の音。

なつの香り。

なつの声。

限り無く0距離で感じるなつ



心の底から渇望したモノが今腕に中に有る。


もう、誰にも渡さない。

もう、誰かになつを幸せにしてくれる事を望まない。

私が幸せにするんだ。



なつ


世界で一番いとおしい人――




ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ―― Side こう ――

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ第一部 完

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