第123話:家族計画

 リカルドは魔力を使って子供達の性別を全員男の子にしていた。

 その事を今になってとても反省していた。

 魂のありようが分からないから、性同一性障害が起こるかもしれない。

 やった時にはそんな事を考えもしていなかった。

 だから元の性別確認すらしていなかった。

 ただ元気な魔力を持った男の子になれと思って魔力を流していた。

 だから今更元の性別に戻す事もできなかった。


「聖王陛下、ありがとうございます、聖王陛下」


 バートランドが満面の笑みを浮かべながら走り回っている。

 あまりの速さについていけるのはコンラッドだけだ。

 別に魔力によって早くなっているわけではない。

 ただ年齢差の関係で、同じ七歳のコンラッドしか追いつけないだけだ。

 五歳のヒューイやボライソー、四歳のアルフレッドでは身体の成長が全く違う。


「こら、はしゃぎ過ぎですよバートランド」


 実母のライラが嗜める。


「コンラッド、貴男もいい加減にしなさい」


 こちらも実母のローザが嗜める。


 だがこれは仕方がない事だった。

 久しぶりに生まれ育ったカウリー城に戻って来たのだ。

 二ノ丸以下の城壁や居館は全て駐屯騎士団や徒士団に開放された。

 本丸も城壁や庭園は駐屯騎士団や徒士団に開放されている。

 だが本丸の居館だけは聖帝家の所有物として封印されている。

 だから居館に戻ってかくれんぼの場所にして楽しんでいるのだ。


 全ては魔族が侵攻してきた時のためだ。

 居館の封印は素早く転移して魔族侵攻に対処するためだ。

 本丸城壁と庭の解放は、本丸を通過する方が反対側への増援が素早くできるから。

 聖帝家族がカウリー城にいない場合に、本丸通過を許可する者がいなくて、援軍が間に合わなくて落城する事など絶対に許されない。


「別にいいじゃないかライラ、ローザ。

 久しぶりに戻って来たんだ、思いっきり走り回ればいい。

 防御魔術で封印しているから、庭には出られないから安全だよ」


「「「「「やったぁあああ」」」」」


『リカルド聖帝の妻妾』

「レイラ王家」

レイラ聖妃 :セント・ジオン皇国第三皇女

アルフレッド:四歳・リカルドとレイラの間に生まれた正長子

グレアム  :三歳・リカルドとレイラの間に生まれた正次子

ウイリアム :二歳・リカルドとレイラの間に生まれた正三子

「カウリー伯爵家」

ライラ   :傭兵上がりの女騎士だったがリカルドの側室に

「アイザックス王家・アイザックス公爵家」

バートランド:七歳・リカルドとライラの間に生まれた庶長子

ヒューイ  :五歳・リカルドとライラの間に生まれた庶三子

エリオット :二歳・リカルドとライラの間に生まれた庶五子

「ダドリー伯爵家」

ローザ   :傭兵上がりの女騎士だったがリカルドの側室に

「ゴードン王家・アイザックス公爵家」

コンラッド :七歳・リカルドとローザの間に生まれた庶次子

ボライソー :五歳・リカルドとローザの間に生まれた庶四子

オーランド :二歳・リカルドとローザの間に生まれた庶六子

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