不法に、バス停を設置か

 2020年3月23日、午後2時ごろ、佐賀県内在住の主婦、三島さん(43)が近場のスーパーマーケットへ買い物に行くために買い物カゴを手に自宅を出たところ、自宅前に『三島家前』とのバス停が設置されていることに気が付いた。何者かが勝手にバス停を設置した可能性があると見て、幽霊警察が調査していた。


 2020年10月15日、午後4時ごろ、同事件を起こした疑いで、同年の3月末まで佐賀県内の三島家に居候していた幽霊、川辺未来さん(36)が逮捕された。川辺さんは、犯行内容について一部否認を続けているが、『三島家前』とのバス停を設置した犯行については認めている。犯行動機について、次のように供述した。


「よく、遠くのショッピングモールまで出かけていたんですが、いちいち歩いていくのに疲れていました。移動術も使えないし。自分勝手だとはわかりながらも、近くにバス停があったらいいなと思ったのです」


 三島家に居候していた川辺さんは、三島家前にバス停があれば、気軽にショッピングモールに出かけられると考えたわけである。しかし、「気晴らしにおこなった犯行なので、実際に、バスを呼ぶつもりはなかったです」と話した。


「三島さんが、『三島家前』のバス停で目撃した無人のバスは、わたしが用意したものじゃありません。わたしはバス停をつくっただけでした」との主張を、川辺さんは曲げない。


 その無人のバスについて、幽霊警察は、幽霊の盗賊団の可能性があるとの見解を示している。近年、バスで全国をぐるぐると回り、人間のものや幽霊のものを好き勝手に盗んでいく盗賊団が多発している。幽霊バスは、基本、人間の目には見えないが、挑発のためか、わざと人間にも見えるようにする場合がある。


 三島さんが自宅前で無人のバスを目撃した同じころ――同年の3月末、三島家では家宝である絵画の紛失が発生した。盗賊団に盗まれた可能性があると見て、幽霊警察は引き続き、調査を続行している。

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