見知らぬ看板設置、違反
2020年2月27日、午後3時ごろ、群馬県館林市の住宅街の裏通りにて、同市内の小学生である良樹くん(10)が、独りで下校していた際に、『この先、行くべからず』との看板を発見した。何者かが道路上に勝手に看板を設置したものと見て、幽霊警察が調査していた。
2020年10月13日、午後5時ごろ、同事件を起こした疑いで、群馬県内に在住の幽霊、飯富奈々さん(21)に警察が直撃した。飯富さんは、警察官の問いかけに対して、「あのとき、霊術を使用してしまった」と白状したため、霊術使用の疑いで逮捕された。警察署内での取り調べで、飯富さんは次のように供述している。
「あのときのわたし、どうしてか、幽霊点滅に陥っていたんです」
幽霊点滅とは、近年、増加傾向にある現象である。点滅するようにちかちかと幽霊の姿が人間にも見えるようになる現象だ。幽霊点滅によって人間に姿を見られた幽霊は国内でも数えきれず、大きな社会問題と化している。さまざまな角度から研究が進んでいるが、いまだ原因は不明だ。
「だから、人間に姿を見られないように、ひとまず、自分の周りに透明な壁――わたしの姿を透かす壁を霊術でつくり、佇んでいました」
飯富さんは、幽霊点滅の状態を人間に見られたら大事になると思い、自分の姿を見られないように霊術を使用したわけである。
「しかし、そのままでは人間の誰かが、わたしのつくった透明な壁にぶつかってしまうのではと思い、あのような『この先、行くべからず』という看板を霊術を用いて設置しました」
もしも良樹くんが『この先、行くべからず』の看板のほうに進んでいたら、透明な壁にぶつかっていたことになる。当時の飯富さんは、3時間近くその場に佇んでいたが、およそ3時間後に幽霊点滅が消えたので、ようやく霊術を解いて、移動することができた。
幽霊点滅については、一部研究者から、「人間への憧れを抱いたときに生じやすい」との指摘がある。とくに幼少時代の記憶を懐かしんでいるときに幽霊点滅になるケースが多い。
飯富さんは、「たしかに、当時のわたし、人間だったときの小学生時代の記憶を懐かしんでいたかもしれません」と話した。
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