非常に丁寧かつ緻密に作り込まれた「通学路を舞台としたホラー短編」の頂点です。私もこのコンテストで同じジャンルの作品を沢山読んできましたが、これより完成度の高いものはちょっと記憶にありません。
主人公と友人の境遇、二人の信頼関係、家族構成、そして過去にあった悲劇。
それらの詳細を語り切った後で「学校という公共の場で語られる百物語」へと舞台は移り変わります。そこにどのような繋がりがあるのか、少しずつ謎が解き明かされる急展開は快感すら伴う読後感です。
ここに無駄となる不要なものは一単語とてありません。
最後に待つ恐怖と衝撃を生み出すために全ては厳選された必要不可欠なパーツなのです。
正に大賞となるのも納得の名作。
ホラー好きであれば是非!