第9話 一人称と三人称
一人称は、私・俺・僕など、その人物の視点で書く方法。
三人称は誰でもない視点で書く方法。
神視点とか言ったりもするけれど、これってイコールなのかと時々悩む。
私は書き始めた頃からずっと三人称書きだった。
その方が断然書きやすかった。
一人称はハードルが高い。
冷静な書き手ならともかく、自分は人物に寄せ過ぎて息苦しくなる。
それに、私はあれもこれも書き切りたい人間だった。
今でも十分、重箱の隅をつついてしまう性格だけれど、
以前はもっと酷くて、それには三人称が凄く便利だった。
でも、最近は吹っ切れた感がある。
本格ミステリーでもあるまいに、全てを書き尽くそうとすることに
それほど意味を見出さなくなった。
あまりに困難であることにも気付いたし、
まして、細かさを追求する書き方は読み手を置き去りにする。
きっと、「書きたい」から「読んでもらいたい」に、
気持ちがやっと傾いたのだと思う。
今は一人称がとても楽しい。
好き勝手に書き過ぎるのが玉にきずだけれど。
◇後書き
登場人物が多いお話は、今でも三人称向きだと思ってます。
小説ってマンガ以上に登場人数を絞ることも大切ですよね。難しい。
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