第6話 暗い話と明るい話

暗い話を書くのは楽しい。

物悲しかったり、うつっぽかったり、感動的だったりする話だ。


それはきっと、自分をそのまま吐き出すからだと思う。

抱えたものを外に出すから、胸がすっとして楽しいのだ。



反対に明るい話を書くのは難しい。


自分にとって、明るさはわざわざ作るものだから。


笑顔を作るのに苦労するように、

色々なことを考えなければならないから。


でも、明るい話には長所がある。

「読んだ人に楽しんでもらえるかも」と、思えるところだ。


誰かと想いを共有するのも良いけれど、届けるだけでも構わない。

明るい話はその比率が高い気がする。



昔はどちらもとても下手くそだった。


幾ら改稿作業が好きな自分でも、

見るに堪えない黒歴史ばかり量産していた。


下手なのは今もあまり変わらない。

でも、なんとか振り返ることが出来る程度になった気がする。



私の手元には15年以上書き続けてきた暗い話がある。


最早だいぶ捨ててしまって、一部しか残っていないけれど、

今、少しずつ明るい話に変えている最中である。

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