第7話 入学式 Ⅰ

 高校の入学式まで後1週間。湊はそれまでひたすら特訓をしていた。


 そして1週間が経った。


 国防魔法大学附属高等学校は東京にあるため千葉に住んでいる湊は大介と離れて生活しないといけない。というよりも、学校に近いだろうが必ずしも寮に入らないといけない決まりがある。


「湊、準備はできたか?知り合いが迎えに来たからそろそろだよ」


 湊は学校まで大介の知り合いが車で乗せて行ってくれるらしい。


「準備できたよ」


「行く前に一ついいか?」


「何?」



「湊、お前は強い。だからと言って1人には限界がある。お前は涼音の死から人と関わるのを嫌っているが、困った時は仲間を頼れ。そして仲間を守れ」


「分かったよ」


 湊は心の中で仲間なんていらない。足手まといになるだけだと思っていたが大介に心配をかけないように表面上で了解した。


「それじゃあ行ってくる」


「気を付けて。いってらっしゃい」



 1時間も経たないうちに、もう学校の前まできた。


「湊君、着いたよ」


「はい。わざわざありがとうございました」


「全然。大介さんにはお世話になってるからね。それで湊君、聞いた話なんだけどこの学校は実力のある者が学校での権限を得られる実力主義らしい。湊君なら大丈夫だと思うけど気を付けてね」


「わかりました。それでは行ってきます」


 入学式の開始時間は13時から。今は12時半で多くの人が来ていておかしくない時間にもかかわらず、あまり人がいない。


 とりあえず会場の体育館に向かう。


 体育館にもそこまで人の姿は見られない。


 すると上級生らしい女の人が湊に声をかけてきた。


「新入生ですか?」


「そうですけど」


「あの試験では何番の会場でやりましたか?」


「番号?」


「1〜12の番号の書かれた会場で入試試験を行なっていると思うのですが?」


 入試試験を受けていなく推薦で入った湊には何を言っているのか分からなかった。


「あの、俺入試試験を受けていなくて・・・・・・」


「もしかして推薦入試者ですか?」


「一応そうです」


「推薦入試者は入って一番左の列の椅子に座って下さい」


「わかりました」


 どうやら体育館の座り場所は左から推薦入試者そして入試試験会場の1番から順に12番まで並んでいる。


 後20分もしないくらいで入学式が始まる。










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