第6話 国防魔法大学附属高等学校
この世界を終わらせるまで
ー 現在
「じぃ、トレーニング終わったぜ」
1年前の湊とは様子が違っていた。
1年前は30分のランニングで辛そうな顔をしていたのに今では顔色一つ変えていない。それに筋肉もついてきている。
「湊、今日はどんなトレーニングをしてきたのだ?」
「いつも通り腕立て100回、スクワット100回、腹筋100回の後にランニング30分を2セットやってきた」
1年前は考えられないほどのハードトレーニングだが、今の湊にはウォーミングアップでしかない。
「じぃ、とりあえず飯食ってから午後は魔法のトレーニング、その後一対一の勝負な」
「わかった。でもその前にお前に聞いておきたいことがある」
「なんだ?」
「これからどうするのか決めているのか?」
湊は来月から高校生だ。しかし、今の湊に高校なんて行くつもりはない。
「高校には本当に行くつもりはないのか?」
「前も言ったが、高校なんて行く時間はない。それに中2の勉強で止まっているからまず高校になんか入れない」
湊は涼音の死を聞いた日から暇さえあればトレーニング。勉強なんて魔法の事以外一切してこなかった。
「お前は魔法が使える。だから国防魔法大学附属高等学校に行かないか?」
本来ならば涼音と一緒に行く予定の高校だった。
「あんな所もう行く気ないし、それにそんな時間ない。一刻も早くこの国をそして世界を変えなきゃ被害者がまた増える」
「湊の気持ちも分かるし、湊は強い。わしよりも強い。だからと言ってこの国を潰せるほどではない。トップのユニークウィッチはもの凄く強い。あの学校にも、もの凄く強い奴もいる」
「俺にはじぃがいる。だから学校なんて・・・・・・」
「わしももう歳だ。今のわしにはお前を強くできない。あそこならお前を強くしてくれる。それにあの学校は優秀な生徒を大学に進学させずにユニークウィッチさせることがある。お前の実力があれば大学に進学させずにユニークウィッチなれる」
「俺はユニークウィッチになりたいわけではない」
「それは分かっとる。しかし、無闇に喧嘩を売りに行ってもやられて終わるだけだ。ユニークウィッチになって内部から接触した方が確実に潰せるというわけだ」
「それでユニークウィッチになるために学校に行けということか」
「そういうことだ」
「学校に行くのは納得したが、まず俺は入学できるのか?」
「こちらで話はつけてある。学校側の推薦という事で入学できる」
「どんな手を使ってでも行かせようとしたわけか」
「すまんな。でも自分の実力がどの辺か知るのも大事だからな」
湊は国防魔法大学附属高等学校に入学することを決意した。
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