第5話 復讐の始まり Ⅳ
涼音が行ってから5日が経った頃2人のウィッチたちがまた家を訪れてきた。しかし、そこには涼音の姿は見えなかった。
「芦北大介さんですか?」
前回訪れたウィッチと違う人たちだ。それに大介のことを知らない。どうやら新人のユニークウィッチらしい。
「そうだが、君らは新人かい?」
「はい。その通りです」
「それで今日はまたどんな用件を持ってきたんだ?」
「今日はお伝えしないといけないことがありまして・・・・・・ 涼音さんのことなのですが」
「涼音は今まさに実践を行っているところじゃないのか?」
「そのことなのですが・・・・・・ とても申し上げづらいのですが・・・・・・」
2人の顔が曇りはじめた。
「スパイの調査中に涼音さんが重傷を負いまして、昨日死亡が確認されたとのことで」
大介は怒りだすわけでもなく、悲しむわけでもなく無の状態だった。まさに心ここにあらずだ。
「スパイの調査はただ調査をするだけだろ。ちょっかいをかけなければ危なくないはずだがどうしてそんなことになったんだ」
「自分たちは調査ではなく違う任務についていて詳しいことはわからないのですが、聞いた話によると、スパイに調査していることを気づかれ、そこで戦いになってしまったらしいです」
「涼音以外にもいたんじゃないのか?」
「涼音さん以外にユニークウィッチが2人と涼音さんと同じく若い世代のウィッチと呼ばれた人たちが5人の計8人で調査の任務をしていたらしいです」
「そんなにいてどうして死人をだす?相手はたくさんいたのか?」
「相手は3人だけだったらしいのですが、どうやら3人とも腕利きらしくユニークウィッチの2人も重傷らしく、他の5人も2人はなんとか命はあるみたいですが重傷らしく残りの3人は涼音さんと同じく亡くなったとのことです」
その時ランニングを終えた湊が帰ってきた。
「今日はどうしたんだ?もしや俺も実践に参加してほしいとかか?」
「そんなんではないだ湊。それよりお前ら2人帰っていいぞ」
「待ってくよ、じぃ」
「湊詳しい事は後で話すから。とりあえずお前らは早く帰ってくれ」
「わかりました。失礼します」
2人はすぐに去って行った。
「どうしたんだよ、じぃ」
「湊落ち着いて聞いてくれ。涼音が死んだ」
湊も先ほどの大介と同じ表情をしていた。
「嘘だろ。涼音は強い。あいつは強い死ぬわけない」
「嘘ではない。他にも3人ほど死人が出たらしい」
湊の表情に怒りがみえてきた。
「なんでさっき2人を帰らした。あいつら殺してやる」
「落ち着け湊。あの者たちは関係ない。関係者を直々に呼ばないのが国のやり方だ」
「涼音の死を伝えにきてそれで終わりか。ふざけんな」
「国はウィッチを武器としか思ってないんだ。死んだらそれまでなんとも思ってないのだ」
「この国いや、この世界はクズだ。こんな世界俺が終わらせてやる」
湊は復讐を決意する。
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