SF(スコシ・フレッシュ)
よく晴れた日曜日の朝、とある喫茶店でメニューを眺めていると「塩モーニングセット」という文字が目に入った。塩モーニングセット! 塩ラーメン、塩焼きそば、塩むすび……私は「塩ナントカ」という言葉が好きだ。「塩ナントカ」には何処かナチュラルでフレッシュな響きがある。
――まさに「モーニング」にピッタリではないか。
素晴らしき発見。素晴らしき朝。
「マスター、『塩モーニングセット』を一つ」
私は躊躇なくそれを注文した。
カリカリに焼けた塩パン、塩味の効いた生ハムサラダ、そして熱い珈琲――これぞ塩モーニングセットだ。
パンの焼き加減、サラダの茹で加減は
「マスター、この珈琲は……」
「塩珈琲で御座います」
塩珈琲! 私はこれほど不味い珈琲を他に飲んだことがない。これは革新的な不味さだ。
「マスター、悪いけど水を一杯貰えるかな」
「はい、かしこまりました」
差し出されたグラスに口をつけると、それは塩水であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます