第一章 富む者は魔を擁せず ~ノーマネーノーライフ~(2)
学院のある街アルテノアでは年に一度、街を挙げてのお祭りがある。
アルテノアといえば高名な魔術師によって拓かれたとされ、その出自もあって魔術と魔術産業で繁栄し、今となっては魔術師に限らずとにかく人の行き交いが絶えない大きな街。
そのアルテノア総出となればもちろん祭りは大規模なもので、学院も毎年、この祭りでとある催しを開いていた。
それこそが、『リミアスター魔術大会』である。
魔術大会と銘打たれてはいるが、魔術のみで競い合うのは学院の宣伝を目的とした学生の部だけで、一般の部は格闘あり武器ありもちろん魔術もありの猛者(もさ)達がしのぎを削る場であり、両部門とも人気が高く毎年大勢の観客たちを沸かせていた。
そんな『リミアスター魔術大会』学生の部で去年、一つの波乱が起こった。
それは、ここ数年の覇者がまさかの初戦敗退を喫したこと。
そして、1回戦にてその優勝候補だった相手を破り、そのまま学生の部を制した生徒が実戦に疎いはずの魔道具科、それもまだ1年生だという事実だった。
「はむはむ」
「やめなさいやめなさい。人の髪の毛をはむのはやめなさい」
ちなみにその劇的な番狂わせがあった傍ら、これまで目立った成績の残せていなかったサチカは初の決勝戦進出を果たしていた。とはいっても、それまでの試合の消耗から肝心の決勝戦では為す術もなく敗れたのだが。
「はむはむ」
「ひゃぁっ!? 耳はもっとダメッ!?」
だからこそ、魔術大会の翌日から話題の中心にある魔道具科の天才少女に異常なまでに懐かれていることに関しては、サチカは首を傾げる他なかった。決勝戦のあの一方的な試合展開に懐かれる要素などなかったはずだ。
(そもそも、決勝で当たったこの子はもっと冷たい印象だった気がするのだけど……)
あの日、自分を完膚なきまでに打ち負かした相手の首を腕で締め上げながら、サチカはこんなことになっている理由をもう一度探してみたが、やはりさっぱり思い当たらない。
「サチカさん、落ちかけてる、落ちかけてるから」
「おっ、あれは姐御のだいたい48個ある怒り技の一つ、『羽折り』だな」
「知っているんですか、ウィル君」
「あぁ、俺は姐御が女だってことをたまに忘れちまうんだが、ある日間違えてアニキって呼んじまってよ、その時に極められたのがあれだ。首を締めてるのと反対の腕が相手の片腕を後ろで固めてるだろ? あれが鳥の羽根みたいだからそう呼んでる。俺の時は早々に肩と意識を持ってかれたから、あれでも手加減してるに違いねえぜ」
「そ、そうなんだ……」
「この、密着度は……熱烈な抱擁といっても、過言じゃない……?」
「私は今課題で忙しいのよ!! というか貴方は工房に籠って全然出てこないって話だったでしょう!! 何で出てきたのよ、この数カ月は静かでよかったのに!!」
長い間会わなかった反動というわけでもなく、サチカに対してのミトラの過剰なまでの懐きっぷりは、魔術大会の次の日からこんな調子だった。
サチカがどこへ行くにもついてくる。サチカと一緒に講義を受けようとする。学年も専攻も違うわけで、もちろん追い出される。それでも懲りずに講義に忍び込む。また追いだされる。
魔道具科の方はどうしたとなるわけだが、聞けばミトラ・フェイリースというこの少女、本来なら許されない高等部からの入学というのも特殊な生徒として目立つ点ではあるが、それ以上に、入学からこの方ほとんどの講義にまともに出席していない、簡単にいえば問題児であるという話だった。
魔術大会に出場したのも、単位不足のために学院側から『退学を保留にするような実績』を求められ、仕方なく優勝したのだ、というのが本人の弁である。
となると次に湧く疑問は、学院で研鑚したものでないのなら———そもそも魔道具科はほとんど実戦闘向けの魔術を学ばないのだが———魔術大会で優勝するほどのその魔術はどこで身に付けたものなのか、といったところだろう。これについては”フェイリース”というその姓からある程度うかがい知ることが出来る。
魔道具の最上を求めれば、”フェイリース”の文字と草原を駆ける獣の紋章を必ず目にすることになるからだ。
”フェイリース”といえばその芸術的なまでに高められた精巧な魔道具作りで知られているが、それはここ一世紀のことで、源流は古くから続く魔術師の名門であり、その魔道具作りの技術は代々受け継がれた魔術知識に裏打ちされたものだ。
”フェイリース”の魔道具職人たちは同時に優れた魔術師でもあり、その家の娘ともなれば、学院で学ばずとも一流の魔術教育を受け、さらに才能さえも持ち合わせていたとしても不思議ではない。
「よっくぞ聞いてくれましたぁ! 私が鍛冶ってたこと知ってるなんて、センパイったら私の事気にしすぎです~♡ やっぱりセンパイってホントは私の事好きですよね?」
「ふははー、締め落とすぞ?」
サチカといる時のミトラからはそんな才覚に溢れた様子は微塵も感じられなかったが。
ため息と共にサチカが腕から力を抜くと、抜け出したミトラはサチカの方に振り向いて、懐からある物を取りだした。
「じゃじゃ~ん!! わたしはこれを作ってたんです!! 遂に完成したので、いち早くセンパイに渡すべく、作業していたそのままのきちゃない姿でこうして駆けつけたわけなんです~!!」
「汚い自覚はあるのによくも遠慮なしに密着してくれたものね……」
ローブを軽くはたきながらサチカが見やれば、ミトラが手に持っていたのは、両手で扱うには窮屈なくらいの小さな魔術杖だった。見てくれはなんだか安っぽく、ともすれば子供が魔術の真似事をして遊ぶための玩具に見えなくもない。杖の先端に付いている装飾は中心に魔力結晶が埋め込まれたオープンハートで、サチカの目にはその輝きだけが不釣り合いに映った。
「見たことない型ね。ヒース、貴方は?」
「僕も記憶にないな…。素直に杖の形をしている時点で前時代的だけど、その割に使われてる素材が現代寄りだね」
「俺も木の枝だか棒だかみてえなモンは見たことあるがよ、鉄の棒は初めてだ。ぶん殴るならこっちのがよさそうだな」
「センパイたちが見たことないのは当たり前ですよ!! だってこれはわたしがセンパイのために一から設計して、センパイのために作ったんですから!!」
「へぇー、貴方独自の魔道具ってわけ。さすが天才といわれるだけのことはあるわね」
「やた、褒められたぁ!! 次はチュウですよね‼ これはご褒美チュウの流れですよね⁉」
迫ってくる顔を押し返しながら、サチカは変な表情で固まっているヒースに気付く。
「いや、その……既存の物を複製するならともかく、新しい魔道具を生み出すなんてことは、何十年と腕を磨いた職人たちが数人で顔を突き合わせて行うものだって、本で読んだ覚えがあるんだけど……。本来感じ取れないはずの魔力の反応と性質の変化を長年の経験で補って形にするものだって……。少なくとも、一介の学生が個人でやるものじゃないと思う」
「確かにそうよね……。そんなポコポコ作れるような物ならあんなバカみたいな値段にならないでしょうし。でもまぁ、この杖がただのガラクタだって可能性もあるわよ?」
「うん、もちろんそうだね」
「ぱっと見オモチャだし」
「装飾とかは単純に鍛冶の技術が問われるところだから……。けど、本当に新しい魔道具を作り上げたのだとしたら、長い歳月を魔道具作りに捧げた職人たちよりも、魔力の扱い方に関しては長けていることになる。純粋な魔術師でも、魔術に長けている人達はいても、"魔力に長けている"人なんてほとんどいない」
「ん~♡ センパイ、ん~♡」
全く緊張感のない後輩の頬を引っ張って、半信半疑といった表情のサチカが呟いた。
「………『清廉たる器(イル・シュタルカ)』」
「うん。それも、本当の意味での」
「はぇ?」
魔力は、魔術を行使するのに必要なものだ。
元来、人は魔力を持っていないが、その内に宿した魔素(マナ)を変換し、魔力とすることで魔術に用いる。
しかし、人体が初めから所有する魔素(マナ)とは違い、魔力は人間にとって毒であり、身体が魔力に侵されれば最悪死に至ることもある。
そのため、新しい魔術を習得する際は魔術自体の成否ばかりでなく、練り上げる魔力量が適正であるかということも重要視される。必要以上に練り上げられた魔力は術者に危険を及ぼすからだ。
厄介なことにこの魔力というものは正確に感知する手段が限られており、現代魔術が普及した今でも、扱う当人の感覚に頼る部分が大きい。———いくつかの例外を除いて。
『清廉たる器(イル・シュタルカ)』とは優れた魔術師を称える言葉だが、その語源は古い伝承に由来する。
曰く、人として生まれながら神々が人の世に顕現するための素体であり、その身は人体に有害であるはずの魔力を宿すという。
また、魔力を視認し、手足のように操ることが出来るとされ、これを崇める宗教があるくらいには眉唾な存在だ。
「これが? まさか」
「むぁー、センパぅー」
「僕も本気で言っているわけじゃないよ。精々、魔力に対する感覚が鋭いってくらいじゃないかな。それでも十分に恵まれた才能だけどね。それはそうと……その新しい魔道具っていうのはいったいどんな力を持ってるんだい?」
「聞きたいですか? 仕方ないですね!! それではセンパイの舎弟Aさんは試しにこれを持ってみてください」
「待てい、……納得いかねえ。Aは俺だろ!!」
「ウィル君、そういう問題じゃないと思うんだけど……」
手渡された魔術杖を興味深そうに眺めるヒースに、ミトラが得意気に説明を始める。
「それでは、その杖を握ってですね、誰かの顔を思い浮かべてください」
「え……それはこの魔道具を使うのに必要なことなの?」
「当たり前じゃないですかぁ。必要じゃなかったら言いませんよ~」
「そ、そうなんだ……この場にいる人だとなんだか気まずいから、ミーシャ……妹でもいいかな?」
「大丈夫だと思いますよ~。では、どうぞ!!」
ヒースは胸の前で杖を構えて、集中するように目を閉じる。
やがて、杖の先の装飾がゆっくりと回り始めた。中心の魔力結晶は光りを放ち、装飾の回転は勢いを増していく。
ヒースの両目は、驚愕と共に見開かれた。
「なっ、これは!? 僕の魔素(マナ)が大幅に増幅されてる!? 魔力への変換効率を高めるのなんてのはよく聞くけど、直接魔素を増やすなんて……しかもこんなに!! ミトラさん、これはいったいどんな原理なんだい!?」
「愛ですッ!!」
「え?」
「『キミ想フ杖』は思い浮かべた人への想いで使用者の力を高めます。その人の事が好きであればあるほど、愛が強ければ強いほど効果は高まるのでぇーす!! 愛は正義ッ!! 愛は無敵ッ!!」
突拍子もない理屈をミトラは自信満々に披露した。
「えぇ……なんてメルヘンな……。でも感情で魔素を増幅させるなんて聞いたことないし、実はこの理論だけでとんでもない発見なんじゃ……ん? 二人は何で距離を取ってるの?」
いつの間にかヒースと机を挟んだところまで移動していたサチカは、その疑問に隣のウィルと顔を見合わせてぎこちない笑みを作る。
「ん……あはは、なんでもないわよ。気のせいじゃない? ねぇ、ウィル」
「あぁ、その杖で抜群の効果が出るくらい妹好き好きちゅっちゅな兄がいたからって、別にドン引きしてるわけじゃあ全くないぜ?」
「あ、え、違うよ!? 僕にとってミーシャはそういうのじゃなくて!? これは兄妹愛とか家族愛とかそういう奴で!! ミトラさん、この杖ってそういうのにも反応するんだよね!?」
「大丈夫ですよ~!! 兄妹とか関係ありません!! 愛さえあれば問題ないですから!!」
「ミトラさん……? え、実は僕ってそうなの……? 自分で気づいてなかっただけで……?」
呆然とした様子で自問自答に励みだしたヒース。その手から杖を抜き取ったミトラは、期待に満ち溢れた表情でサチカのもとへやってくる。
「そう、愛さえあれば何もかも解決するんですよ!! 女の子同士だとか些細な問題です!! さぁ、センパイ。この杖を握って、私の事を想ってください!!」
「……薄々分かっていたけれど、やっぱりそういうことなのね」
溜め息と共に魔術杖を受け取り、精神集中に入りながら、サチカはようやく得心がいったのだった。
それは数か月前、ミトラが工房に入り浸る前のこと。その日の講義を終えて寮に帰ろうとしたサチカは、いつになく真剣な面持ちのミトラに呼び止められた。
教室を照らす茜色を反射した栗毛の髪、藍色の瞳に混じるのは緊張と不安、そして僅かばかりの希望。
『私、私は、センパイの事が———』
杖の装飾はぴくりとも動かない。
「なんでですかぁぁああ!? 私はこんなにセンパイのこと好きなのにぃ!! なんでぇぇえ!?」
「前にも言ったでしょう。今の私は魔術(これ)に打ち込むことが精一杯だって。だから、貴方の気持ちには応えられない」
魔術大会に出るようになってから、何故か同性から告白を受けることが何度かあった。申し訳ない気持ちはあれど、サチカの答えはいつも同じ。同じでも、できるだけ誠実に気持ちを伝えたはずだ。
ひょっとしたら何かすれ違いがあったのかもしれない。そのすれ違いが数ヶ月を掛けてこの魔術杖を作るという事態に繋がっているのだとしたら、サチカも少しは責任を感じる。
それでも、サチカにできるのは、もう一度同じ答えを返すことだけだ。
「例え貴方が素敵な男の子だったとしてもそれは変わらない。ここまでしてもらって悪いけれど、ごめんなさ———」
その時だった。動く気配のなかった杖の装飾が動き始めたと思ったら、ぎゅおんぎゅおんと高速で回転し続けている。
「動いたッ!! はい動きましたぁー!! センパイは私のこと好きー!!」
「って貴方が下の方握ってるだけじゃない!! 子どもかッ!!」
「いいんです!! こうなったら気持ちは後でも!! まずは既成事実から!! センパイ、私と愛のない既成事実を作りましょう!!」
「何を言いだしてるんだアンタはぁー!?」
「———大変仲のよろしいところ申し訳ありません」
突然の割り込む声に驚いた二人がそちらを振り向けば、そこには誰もいなかった。
いや、代わりに虚空に入った亀裂だけがあった。
何もない空間に浮かぶ黒い線を押し広げるように、向こう側から異様に爪の尖った五本の指がその縁(ふち)を掴む。
「よいしょ」
可愛い掛け声で左右に広げられた亀裂から、長身痩躯の女性が現れた。パリッとしたエプロンドレス姿で、何より目を引くのは頭に生える捻じれた二本の角。
「『司書さん』……? ホントにいたのか。初めて見たぜ」
「学籍番号六六〇七〇〇〇七、ウィルゴ・ラクンスタ様。学籍番号六六〇七〇〇一三、ヒース・ライン様。学籍番号六六〇七〇〇二四、サチカ・タテハラ様。学籍番号六七〇三二二五六、ミトラ・フェイリース様。ご歓談中の所、重ねて失礼いたします」
深々とお時儀をされて、一同も思わず会釈を返す。未だ自身に問いを投げつけているヒースを除いて。
「先ほど、フェイリース様から規定値を超える魔力を感知致しました。ひいては危険の収束の後、図書準備室への同行と事情説明を願います」
「……ふぇ? 私ですか?」
「貴方、何で魔力なんか……」
「んー、さっきセンパイが持った『キミ思フ杖』が反応しなかった時、目の前が真っ白になったのでその時かもしれません。てへぺろっ!」
「てへぺろっじゃないわよ……。この人、洒落とか通じないのよ。人じゃないけど」
「同行って、私連れてかれちゃうんですかぁ!? いやです~!? 久しぶりのセンパイをまだ堪能しきってないのにぃ!!」
「拒否されるんですね?」
瞬間、姿が搔き消えたように見えた『司書さん』はミトラの背後にいて、その首筋に鋭い手刀を落とすことで意識を奪う。そのまま流れるような動作でミトラを脇に抱えると、
「対象者の拘束を以って危険の収束は為されたと判断できます。それでは、引き続きご歓談をお楽しみください」
もう一度深いお辞儀をすると、虚空の亀裂へミトラと一緒に消えていく、かと思いきや、ひょっこり顔だけを覗かせた。
「あ、忘れていました。サチカ様」
「な、何よ?」
「主様から伝言です。『寂しいので月一で顔を見せて欲しい』とのことで」
「……善処します」
「確かにお伝えしました。では」
角の生えた頭が引っ込むと、今度こそ亀裂は黒い線に戻り、やがて溶けるように消えてしまった。
嵐のような展開に若干意識が追いついていなかったサチカだが、要は騒がしいのがいなくなったということである。まるで数日徹夜したみたいな疲労を感じて、置き土産の魔術杖で肩をトントンと叩いた。
連行された後輩の方も悪意はなかったようだから、心配はいらないだろう。
「姐御、『司書さん』と面識あったんだな」
「えぇ……まぁ、少しね」
図書空間に集められた数々の魔導書の中には、大量に流通しているものもあれば黎明期に書かれたとされる魔導書の原本などもあり、魔術師にとって知識の泉であることはもちろん、歴史的価値についても計り知れない。それらが一つの場所に集まって無防備に並べられているわけもなく、当然それらを守るための強力な防衛機構が用意されている。
広大な図書空間に収められた全ての本の管理を司る通称『司書さん』とは学院の長である学院長が使役する使い魔で、別次元の生物であるらしい。今は人の形を取ってはいるが本来はもっとおぞましい姿なんだとか。
高次元の視点で図書空間の全てを見張っていて、何かがあるとああして現れては事態を速やかに処理し、魔導書たちを守っているという。
「それにしても、どうしようかしらコレ……」
「姐御が貰っちまっていいんじゃねえか? 姐御に渡しに来たって言ってたんだしよ」
「そうもいかないでしょう。まぁ、不本意だけどあの子はまた来るでしょうし、その時でいいわね」
「しっかし、横で聞いてりゃ庭園でお茶会するのが生きがいなゆるふわ系の奴らが好きそうなこったな」
「『誰かの顔を思い浮かべてください』なんて、まるで占いみたいだものね……。肝心の魔道具の力よりも、愛がどうのこうのの件(くだり)で一番盛り上がり………そ………う———」
ゆっくりと言葉を止めたサチカは、真剣な表情で何事か考え始めた。
やがて、その唇の端がつり上がって悪そうな笑みが浮かぶのと一緒に、杖の装飾が再び回転を始める。
「ウィル、あとそこのシスコン。手伝いなさい。———稼ぐわよ」
「僕はシスコンじゃないよっ!?」
先ほどと勝るとも劣らない速さで回り続ける杖の装飾を見つめながら、サチカは含み笑いを漏らすのだった。
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