4

 「どうして僕とカレンが戻れたのかを話すには、まずあの時ダークウィッチに捕まった後の事を話さなくてはいけない」

 ポエムにムニカが説明していた。

 「ダークウィッチに取り込まれた僕達はそいつにあるものを見せられた」

 山に捨ててあるような本ではない。

 それは宇宙にある惑星であった。

 そこまで連れて来られた、ムニカとカレンは説明まで受けたのだ。

 ダークウィッチが言う。

 「ここが我々の星、マルドゥクだ、地球と火星の間にあった星、今はお前達は過去の世界にいる」

 そしてそこに吸い込まれて行く二人。

 そこには人間の形をした者が田畑を耕し、釣りをしたり、いっせーのでイチをしていた。

 「あれは人の形であった頃の我ら」


 つまりダークウィッチになる前の姿という事である。

 その者達はいつも身体に悪そうなスナック菓子などを食べたりして平和に暮らしていた。

 だがある日、何者かによって魔法を与えられたのだ、それがこの者達をヘカテの信者にした所以であった。そう魔法を与えたのはヘカテという。


 ヘカテは魔法使いの神として崇められ、平和に暮らしていた者は奢り高ぶりいろんな場所で戦争が起きた。

 その後禁断の魔法で作られたのがタリズマンという全てを破壊する武器であった。

 その力でマルドゥクの住民は人のようで人ではないただ殺戮を繰り返す機械人形、ダークウィッチと姿を変えてしまったのである。

 

 そこへかろうじて人間の姿を留めていた者は地球へと逃げたのだ。

 その時見た夢に奢り高ぶったダークウィッチをヘカテは地球へと避難させて悪の魔法使いもろともマルドゥクを破壊したのだ。


 だがダークウィッチはノアの方舟のような宇宙船に潜んで地球に忍びこんだのだ。

 そして、自分達をアダムとリリスの子供と名乗り地球に逃げた者をアダムとイブの子と見下したのであった。

 ダークウィッチの子孫は男でも魔法が使え、そうでない者は女性だけ使える者であった。


 これで何もかも繋がった。うん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る