5

 真っ暗な闇、ゴミとネズミがはびこる場所。

 ここはソドムかウドか……。

 どちらにしろここで飲むコーヒーは苦いであろう。

 ブラックゴーストのアジト、闇市のバーの地下室にギュスターヴは向かった。

 埃まみれの椅子に仮面を被った人物がその椅子に体重を預けている。

 そこにブラックゴーストのリーダーギュスターヴが入ってきた。

 「同盟は成功しました」

 仮面の人物はまるでそれが当たり前かのようにこくりと頷いた。

 「これで我々も世界を救う手助けが出来る事が可能です」

 ギュスターヴは続ける。

 「それに枯渇したアニマも無くなる心配も無くなります」

 ギュスターヴは椅子に座っている人物に水のアニマを見せた。

 ポエムから半分もらったアニマだ。

 蛍光灯の明かりに反射して宝石のように輝いている。

 「男の魔法使いは忌み嫌われている。だがこうやって裏で活躍していけばもしかすると正体をばらしても分かってくれる人がいるかも知れない、いやそうでなくても我々が世の中の役にたてていければ、存在意義があるとみています」

 薄いのぞみだがすみっこぐらしをしているかはよい。

 しかし椅子に座っている彼はギュスターヴの考えてる事に苦虫を噛み潰したような表情を見せる。

 ギュスターヴはマントをカラスのように翻し部屋を出て行った。

 蛍光灯の明かりに群がった羽虫がテラテラと動く。

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