2
ブラックゴーストとは
ドクロの仮面を被ったその集団の正体を知るものはいないであろう。
ウルスラが結成している集団もダークウィッチと対抗している。
クラウルを解放するのがウルスラ達の目的であった。
その組織の基地は寂れたビルの中にあった。
他の建物もそうだがほとんどがダークウィッチに破壊されている。
「いったいあのブラックゴーストは何者かしら?」
ウルスラの仲間のミナーナは言った。
大きなお胸を強調させるように腕を組む。
「そうねでも私たちを襲わないしダークウィッチと戦っているのなら敵ではないと思うけど」
「味方という保証もありませんよ、先生」
ミナーナは空気を切り裂くように手をふる。
「先生はもう昔の事、今はあなたの部下よ」
彼女は胸の谷間からコトリと楕円形のガラス玉を置く。ガラス玉が羨ましいと思いましたね?
水属性のアニマであった。
「水属性の隊員に分けてあげて。ま、半分はブラックゴーストが持って行ってしまったけど」
その後ウルスラはくたびれて自分の部屋に戻った。
ウルスラは歩くたびに脱皮するように装備と服を脱ぎ、
キラキラと海の色のような光を放つガラス玉を部屋に持ち帰って丸テーブルにコトリと置いた。
(なんで水属性なのよ)
精神安定剤を水なしで飲んだ彼女はベッドに倒れこんで顔を枕にうずめた。
テーブルには他に写真が置いてある。
「カレン、どこ行ったのよぉ」
ポロポロ涙を流す彼女の名前はウルスラではなくポエムであった。
今はウルスラと名乗りダークウィッチと戦うプリチーウィッチズの隊長であった。
建前では世界を支配するダークウィッチを倒すためと隊の皆には公言しているが、ポエムはダークウィッチに連れ去られた親友のカレンを探しながら戦い続けていたのだ。
彼女も17歳になった。
二年前まで学校の学生であった。
コンコンとノックの音が聞こえて塞ぎこんでいたポエムは顔をあげて涙を拭いた。
返事をすると隊員の少女が困惑した表情で部屋に入ってきた。
その様子を見てポエムは困惑した表情を見せる。
混浴したと考えました? 言わせないで下さいよ。ポッ。
「どうしたの?」
ポエムが質問するともう一人誰かがいるのに気付いた。
なんとそいつはブラックゴーストの衣装を着ていた、もちろん顔はドクロの仮面で隠してあった。
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