第二章 1ブラックゴースト

 ダークウィッチが曇天の空を滑空している。遠目から見ればカラスが飛んでいるように見えるが目の部分が真っ赤に点滅していた。

 そいつは何かに気付いた。

 それはまだ幼さの残る少女であったが手に持っているのはサブマシンガン、さらに肩に薬莢のベルトを斜めにかけている。

 ポニーテールをゆらしながらしゃがんで壁にはりついた。

 「ウルスラ隊長、敵です」

 ウルスラと呼ばれた女の子よりも幼い女の子がこれまた物騒な銃を構えて言った。

 ウルスラは『ピザの配達が来た』とでも言われたようにただ頷くだけであった。

 真剣な眼差しで黒い影を睨み付けている。

 ウルスラは銃を構えてしゃがんでいるがあたふたしていた。

 それを確認したダークウィッチはウルスラの方にグライダーのように飛び込んでくる。

 一気に彼女を食らいつくす算段であった。

 その時ウルスラが手をあげるとビルの隙間に両翼から女の子が武装して現れた。

 ウルスラの演技でたま切れのように見せていた、そしてダークウィッチを誘き寄せる事に成功した。

 女の子達は――ウルスラも含め――ダークウィッチに攻撃を開始した。

 だがダークウィッチは巨大化した。

 たまが当たってもびくともしていない。

 相反してダークウィッチは大きくなってしまった。

 もうだめだと思った瞬間!

 火炎の柱が出現してダークウィッチを燃やしその後地面から大きな尖った岩がそいつを串刺しにした。

 ボー然とウルスラとその部下が見ているとダークウィッチが消滅した後に何者かの影が見える。

 奇妙なドクロの仮面でウルスラ達は悟った。

 「ブラックゴースト!!」

 

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