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 敵の一斉射撃によりムニカは思わず目をつむった。

 物凄いダメージをくらうかと思い両腕で顔をおおったが何も起こらず不思議に思って目をあけるムニカ。

 シャボン玉のような結界に守られていた。

 なんとイトウマキがそのバリアを作ってムニカを守ったのだ!

 しかしその後こけしのようにイトウマキはサイドネコカーの座席に倒れこんで毛玉のように埋もれる。

 「おれっちの力はここまでだ。ムニカ、幸運を祈るにゃ」

 彼はそのまま眠ってしまった。いびきもかいた。お腹もかいた。

 キッとダークウィッチを睨み付けるムニカ。

 「イトウマキまで巻き沿いにして、もう許さない!」

 怒りの感情が力となる、そう思っていた。

 だがそうではなかった。

 やはりムニカはダークウィッチの猛攻により完膚なきまでにやられてしまう。

 「殺すなこいつは……」

 リーダーのダークウィッチはそう言うとムニカの元に降下していく。

 「貴様の仲間が持っていたサンザシの木の匂いでこの場所が分かった。礼を言うぞ」

 こうしてこの世界はダークウィッチに支配された。


 男の魔法使いが現れるのは災厄の始まりであると語られるのはそのためであった。

 

 序章 完。

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