13
カレンを助けるどころかダークウィッチに彼女をさらわれてしまったムニカはおなじみの穴あきブロックに座っていた。悲しい背中だ。
だんごむしがタンクのキャタピラのように歩いていた。
そこへネコらしからぬネコ、イトウマキがトラのようにのっそり歩いてきた。
「助けにいかないのか? カレンを……」
熊のように埋もれるムニカ。
いくらネコからでもその言葉を聞きたくない耳に蓋をしたいようなムニカであった。
「そのままずっとそうしてるのかにゃ? ソノシートみたいに」
今のムニカをソノシートに例える事ができるのネコは彼しかいないであろう。
「ソノシートならソノシートらしく大きな音を流してみるにゃ!」ぺしっと足の小指をはたかれるムニカ。
「僕は何もできないよ、魔法も使えないし」
「弱気だにゃぁ。弱気ムニカだにゃぁお友達をほっといてこのままダビデ像みたいにまっぱで石を持っているのかにゃぁ?ダビデなら強敵のゴリアテみたいな奴倒してみるにゃ」
そうだ、友達がさらわれたのにボーとしている場合じゃない。
最初に仲良くなった、虫のお話も一緒にしてくれた。
イトウマキがいつの間にか向こうの校舎の壁を曲がろうとしていたので急いで追いかけるムニカ。
すると彼はサイドカー付きのバイクに乗っていたサイドカーはネコ用なのか小さくてトイレのための砂まで入っていた。
「やっぱり来たかにょりな」
イトウマキはヘルメットとゴーグルをムニカに投げてよこした、彼はそれを素早く装着しサイドカー付きバイクに乗ってカレンがさらわれて行った方向にバイクを走らせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます