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 「ねぇ、ムニカ君は卒業したらどうするの?」

 虫の本を食料本の棚に戻すとカレンはムニカの隣の席に座った。

 ムニカは突然魔法が使えて家族から気味悪がれてここに連れてこられたため卒業の事などあまり考えてなかった。

 この学校に通って卒業すればダークウィッチと戦う事になる、魔女の軍隊に入る事になる、何故ならば魔法を使えるならば戦わないといけないという義務がここにはあった、ダークウィッチから世界を守るため、彼女達しか倒せない敵がいるため。

 小さな子供がが檻に入れられてその檻の鍵を持っている者は助けなければならないという理屈であった。

 「私は水属性で回復魔法が得意だから救護班に入りたいの、それに私臆病だから戦いとか出来ないし」

 カレンはテーブルの傷を魔法で回復させた。

 カレンはちゃんと先の事を考えている。

 ムニカは卒業したらどうすればいいか分からない、ちゃんと魔法を使えるかどうかも怪しい物だ。

 どうせならカレンと一緒にいたいので救護班になりたいと思う。

 ムニカは不安そうなカレンにあるものを渡そうと決心した。

 「これ、ここに来る前に魔ーケットという所で買ったお守り。仲良くしてくれたお礼にあげる」

 それは小さな巾着袋に入っていたこれまた小さい木の棒であった。

 その木はサンザシであった。

 「サンザシの木……、これ安産祈願だよ」

 手を口元に持ってきてクスクス笑うカレン。

 顔を真っ赤にしてうつ向くムニカ。

 「でもありがとう」

 カレンは優しくお礼を言った。

 「ヒューヒューおあついねぇ」

 イトウマキはチャチャをいれる。

 チャチャをいれるネコの中でイトウマキの右にでる者はいない、無論ムニカしか聞こえないが……。

 カレンは丁寧にサンザシの枝を袋に入れて制服の胸ポケットにしまいこんだ。

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