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 蜂の巣を叩いた様とはこの事である。一瞬にしてクラスの女子は――女子しかいないのだが――ざわめき始めた。

 「なんで男の子がこの学校に転校してくるのですか? 男の子はおトイレ掃除だけをやればいいと言うこのウィッチクラフトアカデミーの校訓だったのでは?」

 そう魔法を使えるのは昔から女性のみとされてきた。

 だがこの少年は気付いた時から魔法が使えるようになっていたのである。

 こんな雰囲気で男の子はすこんぶを食べてるようにもごもご喋った。

 「あっあのムニカと申します、なんか魔法使えました、仲良くしてください」

 にっこり微笑むムニカ、左から三番目の歯がなかった。

 ポエムが立ち上がって汚らわしそうにムニカを指さした。

 「この人女子の学校に入りたいだけで魔法が使えるなんてその為の嘘にすぎないはずです。追い払って下さい」

 ポエムは教壇で突っ立っている転校生を睨み付けた。

 


 ガヤガヤと教室が騒がしくなってきた。

 亀の甲羅のような天井があるこの広い教室に、女の子の声が響き渡った。

 「ねぇムニカ君はどうしてここに入学出来たの?やばーい」

 「男の子なのに魔法使えるなんてやばーい」

 女の子達のやばーい攻撃にもなんとも思わずぽけーとしているムニカ。

 唐突にポケットからカブトムシを取り出し、女の子達は悲鳴を上げてその場から逃げ出した。

 彼は昆虫が好きらしい。

 よってこれからは彼の事を虫博士と呼び避け始めた。

 どんな虫がポケットに入っているか分からない。





 

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