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七月五日。日曜日。いつもなら休日だが、今日は違う。
とうとう文化祭本番。その朝の僕は早起き。
当然のことのように、当たり前のことのように、毎度のことのように、毎朝のことのように——僕はやっぱり五時起きだった。
もはやなにかイベントがあると、僕は五時に起きるらしい。
そんな五時起きの僕は、六時半になる頃には登校を開始していた。なにせ、鉄板焼きの食材を運ぶのに往復しなければならないのだ。夏場なのでクーラーボックスに食材を入れて。こればかりは僕が一人でやるしかあるまい。唯一の男子部員、そして唯一無二の部長である、僕の出番だろう。
そんなこんなで、家と学校を朝から三往復した僕である。さすがに徒歩だと死んじゃうので(運動不足だから死んじゃうので)、ラストウェポンの自転車を導入したぜ。
自転車まで導入して、往復を済ませ——現在は七時半になる頃だ。
部内で一番に登校した僕は、視聴覚室で一人、お好み焼きの粉を混ぜている。新品のバケツに千切りキャベツ、粉、水、卵を入れ、ひたすらにおたまで混ぜ混ぜしているのだ。もちろん、たとえ新品と言えど、バケツはしっかりと洗っているぜ。
まだ準備をするのは早いけれど、いささか早く来すぎて暇だったからな。だからお好み焼きをミックスするくらいしか、僕にはやることがなかったのだ。
僕が視聴覚室でお好み焼きをミックスしながら暇を持て余していると、僕の次に来たのはフウチだった。
「おはよう、フウチ」
『詩色くん、おはよう……早いね?』
今日は文化祭なので、朝のホームルームに出なくても良いので、出しものをやる生徒は、それぞれがそれぞれの出し物スペースに直行して良い日になっている。
「文化祭だし、少し準備もしておきたかったからな」
フウチの書いた言葉に返事をしながらも、どうやら一夜明けた今日は、僕の目を見てくれるようになっていたので、ひとまず安心した。まあ、なんだかいつもより顔は赤いし、僕を見るときの口もなぜか常に『〜〜〜』みたいな形だが、可愛いから良いや——と、そんな風に思っていると、フウチは
そのまま僕の隣にやって来て、必然的な上目遣いと、原因不明の『〜〜〜』みたいな口で、僕を見上げて来た。
視線での
僕が撫でると目を細め、口元が嬉しそうな形に変化する。その仕草が可愛過ぎて、いつまでも撫でていたい気持ちもあるが、あまり時間を使って、あるいは時間を忘れて撫でていると、もしかしたら性格の悪い
するとフウチは、頬を膨らませて、
『もっとだあ! もっとしろお。ぷんすかっ……だめ?』
と。書いた。朝っぱらから僕の心臓を止めに来るような上目遣いで、赤く染まった頬を膨らませながらそんなことを書かれると、ものすごく胸が締め付けられるような感覚だ。
有り体に言えば、きゅんとした。
めちゃくちゃきゅんきゅんした。
そんなリクエストをされては、僕も断るわけにもいくまい。なにより、断れる気がしない。
だから僕は、もう一度フウチの頭に手を乗せた——瞬間。
「いっちばーん!」
と。どう考えても一番ではないし、僕を含めて明らかに三番目の登場なのだが、親友の馬鹿が大声で言いながら、雑にドアを開けた。
ドアを開けた
「あ、三番だったかあ……てへぺろ」
にゅふふふふふ——と。てへぺろとは程遠いゲスな笑みを浮かべた。
「にゅふふふ。むふふ。にゅっふふふふふふ」
僕の手が、フウチの頭にあることにすぐ気づいた無鳥は、ゲスな笑みを浮かべ続け、そして、
「朝ションしてくるかなあ!」
ジョボジョボしてくるかな! 空気を読んで——と。さらに大声で追加して、鞄を投げ捨てるかのように雑に置き、トイレに行った。
仮にも女の子のくせに、朝ションとかジョボジョボとか言うなよ。
あと、空気を読んで、って発言した時点で空気は読んでねえよ。本当に空気を読む奴は、そもそもこのタイミングで入ってこねえだろ。まるでフウチの頭頂部に、馬鹿召喚のボタンでもあったのだろうか。間違って僕は、その馬鹿召喚ボタンを押しちゃったのだろうか——と、思わせるタイミングで雑にドアを開けやがって。
言わないけれど、無鳥のせいでフウチの顔面、真っ赤になったぞ。撫で撫でを目撃された羞恥心で、
なんかめちゃくちゃ恥ずかしくて、僕は頭に手を置いたまま——フウチは頭に手を置かれたまま、固まってしまった。
不覚にも二人して固まってしまったので、二人とも視線は固定である。見つめ合ってフリーズ。
客観的に見たら、素敵なオブジェっぽいかもしれない。シルエットだけ見れば、芸術作品になるかもしれない。
「おーおー、朝からイチャコラしてやがりますねー。不思議だなあ。クーラー効いてるはずなのに、この部屋は南国みてえな温度っすねー。いやー、あっちいっす、あっちいっす。あ、ちーす。おっといけねえ、失礼失礼。あまりの高温度に間違えちまいました。おはでーす」
固まっていたら、最後の部員まで登場してしまった。前日、僕がフウチのことを好きだと知った矢面は、おそらく外からチラッと覗いて、その性格の悪さから、僕をいじれると判断して入室したに違いない(と、決めつけた)。あ、ちーす、とか言った時点で、いじるために入室したと判断できる。
すでに顔面が赤赤しているフウチは、もはや頭から湯気が出ている。気がする。
対する僕は、矢面はどうせいじるためだと決めつけたので、なんか若干冷静になった。
ただ、あくまで若干なので、なぜか頭から手を離さずに、なぜかなぜか頭を撫で撫でしながら、なぜかなぜかなぜかフウチと見つめ合ったまま、僕は、
「おはようで
と。声を裏返しながら、無駄に元気良く挨拶をしてしまった。固まっていたからか、なんかびっくりして、僕はかつて一度もしたことがない
完全に動揺している。親友と後輩に頭を撫で撫でしているところを目撃されて、僕はテンパっている。若干冷静になったのに、若干が本当に若干過ぎる。一体どこが冷静になったのか、自分自身を問い詰めたいくらいだ。
『をひゃよう! やーもてしゃん!』
フウチに
「さーてと。朝っぱらから、もっぱらイチャコラしているお二人のお邪魔にならねえように、ぼくは空気を音読してからお着替えでもして来ますかねー。あ、お二人はそのままイチャコラしてて良いっすよ。なんならとっとと子供でも作って、幸せに暮らしてから安らかに死んでくださいっすー」
おっといけねえ、ついつい口が滑っちまったですね——と。明らかに馬鹿にしているムカつく笑みを浮かべた矢面は、
空気を音読すんな。子供でも作ってとか、余計なこと言ってんじゃねえ! 本当に口が滑って言ったのだとしたら、貴様の口は摩擦ゼロだからな!?
くそう。ちくしょう。
もう軽くヤケクソ気味に僕は、この際だからいっそのこと、満足するまで頭を撫で撫でした。
たぶん五分くらい。頭を撫でる時間にしては、かなりのロングタイムだろう。もしかしたら、もっと長かったかもしれない。
『バレちゃった……ね?』
しばらく撫で撫でしていると、ようやっと硬直から解放されたフウチが、タブレット端末に書いて向けて来た。フリーズが解けても、顔は真っ赤だが。
僕もフリーズは解けているが、たぶん顔は溶けている。溶け続けている。
「…………だな」
そんな状態でも頭を撫で、僕はフウチに言葉を返してから、そっと手を離した。
『うう……恥ずかしいなあ』
プルプルしながらの、上目遣い。
もはやその表情は、兵器とすら思える。
僕を殺せるだけの威力がある表情である。
まあ厳密に言えば、矢面には結構前から頭を撫で撫でしているのとか、バレていたらしいのだが。それを言っても、恥ずかしいだけだと思うので、内緒にしておくことにした。言うのもなんか恥ずかしいからな……。どんな顔して、そんな発表をすれば良いのかもわからないし……。
「フウチも着替え行かなくて平気か?」
おそらく、トイレに向かうと宣言していた無鳥も着替えに向かったのだろう。ジョボジョボしてるだけにしては、長過ぎるからな。
『じゃあ、お着替え行ってくる』
「うん。行ってらっしゃい」
『ねえねえ? 詩色くん?』
「なんだ?」
『そのね……』
「どうした? 僕に出来ることならなんでも言ってくれよ」
『撫で撫でが足りないの……』
書いたその手で、もじもじしながら僕の
精神的に吐血してしまったぜ。ぐはあっ!
萌え過ぎて内心で吐血しながら、僕は「了解」と言ってから、フウチの頭を撫でる。今度は五分も撫でることはなく、数十秒で撫で撫でを終了させて、フウチは着替えのために小走りで更衣室に向かった。
「可愛いなあ、ちくしょう……なんだあの天使可愛過ぎかよ…………」
フウチが退室したのを確認してから、ひっそりと僕は呟いた。この長くはない時間で、僕は何回きゅんきゅんしたのかわからないほどである。
きゅんきゅんの
「じゃーん!」
と。一番最初に戻って来たのは、無鳥だった。
「へえ」
親友のドレスチェンジへの感想がこれだけになってしまった。だって、これくらいしか言えなかったのだ。残念ながら。
というか、無鳥の格好はどう見てもメイドではなく、執事だった。
「メイドじゃねえじゃん、それ」
「
なるほど。どうやら矢面は、自分の好みをごり押ししたのだと思われる。まあ、似合っているけど。身長高いし、髪もショートだし、セットもしているので、明らかに純正の男子である僕よりもイケメンに見えるし、まるで少女漫画に出て来そうな爽やかフェイスの男前執事な仕上がりになっていた。
「フー先輩。お先入ってくださいっす。ぼくはちょっと、両方の鼻の穴から鼻血が出ちまいましたので、お先どうぞっす……」
廊下からそんな声が聞こえた。矢面は鼻血が出たらしい。きっと無鳥の着替えを見たことプラス、着替えた姿に興奮したのだと思う。僕の顔面をいじってくるくせに、矢面って、この部で一番の変態だと思う。今更な気もするが。
『じゃーん!』
ということで、フウチが入って来た。タブレット端末で顔全部を隠して、でも『じゃーん!』と書いて。一体どんな表情をしているのか、タブレットに隠れているので、それはわからないけれど、僕はそのドレスチェンジした格好を見て、瞬時に、
「写メ撮っていい?」
と。素直になってしまった。
心からの本音を素直に言ってしまった。
フウチの格好は、無鳥のような執事ではなく——なんと巫女装束モチーフのメイド服。いわゆる和メイド! 和メイドおおおおおおおおお! ああああああああああ! 和メイドだああああああ!
頭には黒の大きなリボン。
薄いピンクとホワイトの上半身。
下半身は上品に短め。だが、いやらしさを感じさせない、どこか
上品に短めのスカートからのびた、細くて美しい脚には、ニーソックス。さらには、少しの動きが加わるとチラッと見える太もも。その美しい脚線美を持つ太もも——右の太ももには、ヘアカラーと同じ銀色のリボンが結ばれているのを僕は見逃さなかった。
頭の黒リボンと太ももの銀色リボンが、僕のツボだった。思わず胸を(心臓のあたりを)、軽く叩いて意識を維持するくらいツボだった。
どうやら僕のツボは、リボンらしい。
写メの許可を申請しちゃうほど、ツボだったらしい。自分でも今初めて知ったツボだった。デザインを担当だと聞かされていた無鳥に僕は、心で心から心を込めて、
「じゃああたしが二人を撮ってあげるよ! さあさあ、並んで並んで」
僕の発言に答えたのは、フウチではなく無鳥。センス抜群、もといセンスの
そう言った無鳥はフウチの背中を押し、僕の隣に並ばせる。近くに来たついでに、僕は無鳥にスマホを渡した。
「もっと寄って寄ってー」
「こ、こうか……?」
少しだけ。距離にして数センチ近づく僕。控えめに言って、死にそう。控えめに言わなかったら、すでにもう死んでそう。
「んー。なんなら抱き合っちゃえば?」
『ぷしゅう……』
「無茶振りすんな!」
「えー。じゃあさっきみたいな格好してよ?」
「……さっきみたいな格好って?」
「さっきみたいに二人で見つめ合って、詩色はフーちゃんの頭に手を置けよ、って、カメラマンからのそんなリクエスト。キャメラマンからの熱い要望! 熱い
「恥ずかしいって!」
『ぷすぷすぷすぷ……す』
無鳥のリクエストで、フウチなんかもう、ぷすぷすしながらぷすぷす書いてるじゃねえか。ノールックで書いてるじゃねえか。何かに取り憑かれてるみたいに、顔全部隠した状態で無鳥の方にタブレット端末向けてるのに、顔の前で手が勝手に動いて書いてるみたいになってるじゃねえか。
「いーじゃん。さっきまで見せつけてたんだから、今も見せつけてくれればいいだけじゃん。早くしろ」
「み、見せつけてねえよ!」
勝手に見たんだろお前が! 空気の読めないお前が勝手に目撃しただけだろ!
「ほらー。男だろ詩色。あんたが率先して頭に手を置いちゃえば、むふふ。それで良いんだよ。ぐだぐだしてたら、開店時間になっちゃうよー? 良いの? それでも良いの? にゅふふふ。あんたが写メとか言い出したくせに、それで良いのかあ? 男らしく、むふふ〜。さあさあ! にゅむふふふ〜」
完全に楽しんでいる。『むふふ』とか『にゅふふふ』とか、
顔とか通り名とかいじられるほうが、なんだかマシとすら思える……。
「……………………」
が、そこまで言われると、さすがに僕も男だ。そこまで言われてしまっては、僕の名が
そもそも無鳥が言う通り、言い出したのも僕だ。
覚悟を決めろ僕——と。かなりぎこちない動作で、少しだけフウチの方に身体を向けて、そしてゆっくりと、頭に手を置く。
僕が手を置くと、果たしてフウチはビクッと。身体を小さく揺らし、ゆっくりと僕の方に身体を向けた。
徐々にタブレット端末で隠していた顔を出して。
でもやっぱり恥ずかしいのか、顔半分をタブレット端末で隠して。つまり、口元を隠しての上目遣い。最高のプラス要素で頬を染めた極上のオプション付き(イコール天使)。
「良いねー! はい見つめ合ってー。そうそう。じゃあ撮るよー。カシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ!」
「連写なのかよ!?」
連写だった。
連写に対して文句を言ってしまったけれど、僕は内心、めちゃくちゃ無鳥に感謝していた。あとでコーヒー奢ってやろう。なんなら二本奢ってやろう、って思えるくらい感謝していた。もっと言うと、足を向けて寝れないくらいの恩を感じた。
「あれ? まだイチャついてんすか? 参っちゃいますねー。鉄板焼きの鉄板必要ないんじゃねえですか? お二人のほっぺで焼きそばもお好み焼きも焼けんじゃねえっすか? つーかお二人とも、なんかウケんすけど」
両方の鼻の穴から鼻血出す奴、良く良く考えてみると、初めて見たかもしれない。普通鼻血出しても片方だろ。なに両方から出してんだよ、だせえな。
馬鹿みたいだな。両方の鼻の穴にティッシュ詰めてメイド服着てるとか、なんか馬鹿みたいだな。ビジュアル的にはどっからどう見ても、貴様の方がウケるよ。失笑を禁じ得ないよ。
でも良くその鼻の通りで、滑舌を良く喋れたじゃねえか。あとなんで貴様だけ、オーソドックスなメイド服なんだ。もはやメイド限定じゃなくて、ただのコスプレ鉄板焼きブースになってる感も否めねえな……。
無鳥の執事が特にコスプレ感を増加させている。
つーか、今更だけど、男装が似合い過ぎてるだろ……。
「あーそうだ。渡すの忘れてたんすけど、はいこれ。詩色先輩の衣装っす」
僕が内心で矢面を軽く馬鹿にしたりしていると、そう言われて手さげ袋を渡された。てか僕の衣装もあったのか……。変なのだったら拒否ろう。そんな風に思いながら、手さげ袋を開いた。
中身は——
「なんで甚平……?」
「お祭り行ったことねえみたいでしたので、気分だけでも味合わせてやろうと思いまして」
余計なお世話だ! だからなんで上から言ってくるんだ貴様あああ!
……でもまあ、変な衣装でもないし、せっかく作ってくれたのだから着るけども。実は少しだけ、みんながコスプレしてる感じだから、僕だけ制服でやるのも浮いて、恥ずかしいかもしれないと思っていたし。本当に恥ずかしい格好をしているのは、両方の鼻にティッシュ詰めた馬鹿で変態なメイドだが。いや本当に、人として恥を知れよ。
この恥知らずの
そんな言葉を秘めつつ、礼儀はしっかり重んじるので、矢面に作ってくれたお礼を言ってから、手っ取り早くトイレで着替えを済ませ戻った僕。
誰も僕のドレスチェンジに何も言わねえ。
作ってくれた矢面なんかもう、外とか見てやがるし。遠くの山とか見てんじゃねえよ。それは乗り物酔いしたときだろ(鼻血には効果ねえよ!)。サイズ感とか聞けよ。文句の言いようがないくらい、ピッタリフィットのジャストサイズだけれど、作り手としてそれくらい聞いてこいよ感は否めない。
まあ良いさ。僕なんて、なにを着て、どんなに着飾ったところで、
『あとでその格好でもっかい写真撮ろう……ね?』
と。はにかみながら、そう書いた。
「ああ、もちろん良いぜ」
返した僕は、言われた言葉に(書かれた言葉に)、喜びを隠しきれない。口も頬も
「無鳥せーんぱーい! ぼくも無鳥先輩と写メ撮りたいですう!」
「おー良いよー! 撮ろう撮ろう」
「わーい! えへへ。あ、すいませーん。そこの暖房器具みてえな熱放っている、顔面が溶解してやがる、もはや妖怪みてえな先輩、写メ撮ってくださいっす」
「誰が暖房器具だこら。溶解までは達してねえし、言葉遊びのために僕を怪異にすんな」
溶けてる自覚はあるけども。残念ながら。
つーか、クーラー効いてるから涼しいだろ、この部屋。それでも暑いのは貴様が頭の温かい変態だからだ。
まったく。常に一言二言多い後輩だぜ。内心呟き、無鳥から無鳥のスマホを渡された。カメラが起動したスマホを渡されたので、さっき撮って貰ったお返しに、僕がシャッターを切る。
「てか矢面、ティッシュ詰めたまんま撮って良いのか……?」
「おっと。ちょっと待ってくださいっす」
「じゃあ撮るぞー?」
僕が言うと、無鳥が矢面にハグした。
カシャ——と。シャッターを切り、写メを確認すると、そこには間抜け
写真撮るだけで流血沙汰とか、僕でもそこまでならねえよ……、血行良すぎだろ、と。
「ぼくのスマホでも撮ってくださいっすー」
「きみの鼻血が止まったらな……」
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