47.完全復活祭の開始
『本日の演目
マダム・チェルシー・シャルロットの
「対バン無しか。
チェルシー先輩のホームは、ライヴ開始前から
個性的な水魚の交わりは、圧倒的に
ジュストコールを
長身で
視線の向く先々にあるものが、すべて美しく好もしい。
ライヴハウスとは不思議な場所です。
こんなところにも老婦人が居られます。
長袖の洋装から露出している手の甲を手袋で包んだ、上品な老婦人。
白い手袋に白いタイツ。そして白銀の髪。
やわらかそうで真っ白な髪を頭頂部から
「あのバッグ、僕のポーチとお
ハイセンスな老婦人に注目して、彼女のバッグと自分のポーチを見比べる
「月彦くん、私、何処かに座りたい」
「うん、僕も、そう思ったところ」
めぼしい席は埋まり、空席と思われる椅子には、ハンカチや
「この椅子、空いています?」
文庫本へ落としていた視線を上げた老婦人は、銀色のフレームの眼鏡を外して私たちを見ました。
「空いていますよ。戻って来る子は居ますけれどね、今は空いています。どうぞ」
直径百センチほどの正方形の
「良かったら、使っちゃってください。私は立ち見しますから、必要なくて」
「助かります。どうもありがとう。良かったね、
私たちは、椅子を並べて座りました。
同じブランドのアイテムを持っていることに親しみが
月彦は屈託なく話し掛けます。
「
「孫と共有しておりますの」
「お孫さんと?」
「はい。今夜も孫が心配で、一緒に来ましたの」
私は、月彦と老婦人の会話に耳を澄ませていました。
「今夜も? 『フィアンサーユ』には、よく来られるのですか?」
「
両手にソフトドリンクを持った美少女が現れました。
彼女は、老婦人が膝の上に引っ込めたバッグのあった場所にグラスを並べて、椅子の要らなくなったグループから、手際よく拝借した椅子に掛けました。場慣れしている様子が伝わります。
老婦人のお孫さんらしき少女は美しい。
あまり凝視しては失礼だと思いながら、視線を外すことができません。彼女は、カントリーテイストのエプロンドレスを
茶褐色の
完璧なロリータ・ファッションです。
私は、やはり女の子の
だからと言って、可愛い女の子を恋愛対象に思うことはありません。
私の恋愛対象は月彦だけです。彼に一点集中しているのです。
「わぁ、すごく可愛い。おばあちゃまが心配するのも分かるよ」
「……」
「この
「……」
「ドリンク、何を選んだの? よく『フィアンサーユ』に来るんでしょう? オススメのドリンク、教えてよ」
「……」
月彦の一方的な問い掛けが続きました。
絶世の美少女は、花の
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