第157話 リアンの部屋 竪琴とリアンとリュース公リジャイアヌス

「エルトニア姫は本当に愛らしく美しい方ですね」

「ええ、美しく成長しました」温和なリアンが嬉しそうに微笑んで答えた。


「ところで その窓辺に置かれた小さな竪琴は?」リュース公が尋ねた。


「ええ もう片腕で奏でる事も出来ないのですが・・

亡きエイルの叔母である 羽琴の姫君 エリンシア姫に頂いた物で

エイルに渡すつもりで 持参したのですが渡す機会がなくて

さっきも 渡しそびれましたし・・」リアン


「そんなに大事なものなら たとえ奏でられずとも 

お持ちになれば良いではありませんか」首を少し傾けて美貌のリュース公が言う


「そうですね」リアンが微笑して頷く

「エリンシア姫は エイル様の実の母君だとか・・」

流れるように秘められた秘密の事を口にするリュース公


「何故それを?」顔色を変える白の国の武官であるリアン


「先読みと過去見の力がある 先の黒の王 竜王がエリンシアに触れた時に知って

それを私に教えてくれました・・

ああ、エイル様には 申し上げませんので ご心配なく」リュース公


「その代わりと言ってはなんですが もう貴方様はご存知だと聞きました」

そうして言葉を続けるリュース公リジャイアヌス


「黒の王アーシュラン様が 怪我を負った際

治療の為の魔法薬の副作用で 子供の姿になり 記憶も無くしたという話は

白の国には内密に」リュース公


「わかりました リュース公」微笑むリアン


「それと もう一つお願いが・・リアン殿」リュース公

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