第145話 黒の王宮奪還 2

アーシュ、アーシュランがセルトの心を封じていた 

ヴァン伯爵に従うように作られた魔法具を壊してセルトを解放して 

セルトがアーシュランに忠誠を誓ったのは ほんの数か月前の事・・。


「その後で私が姫を抱いた 美しいオッド・アイの瞳に金の髪 

白い美しい美貌に身体

素晴らしい夜だった!抱かれて泣いている様も美しかった」


「・・・」無表情で立ちつくすリュース公 アーシュラン達も黙って聞いていた。


「エリンシアは 懐妊してた あれは 黒の王の子か? それともお前の子か? 

リュース公?

何度も犯してやったから 子供は流産したが・・」口元から血を流しつつクククッと笑う


「私の子供だ・・」リュース公は言う「そうか!あはは!」笑うヴァン伯爵

「テインタル王女の事は知らない・・兵士に殺されたのでは?

エリンシア姫は 私や兵士どもに乱暴され 子供を流産して 

まもなく、ある晩 牢屋の中で息耐えた」


「エリンシア姫の亡骸は?」


「あの樹海 パンプローナの森の奥に捨てた

死体は獣に食われて もう探し出せぬだろうさ・・」


ヴァン伯爵にリュース公は 剣を突き刺し まず手足を切り落として

悲鳴をあげるヴァン伯爵にとどめを刺すリュース公


肩で息をつきながらリュース公は言った


「どうか 今 丁度 この場にいないアルテイシアには ご内密に

エリンシア姫は私の花嫁になる御方でした」


「アルテイシアもたいそう姫を気にいって 

母と呼んでもいいと 以前話をしておりました」


悲し気に リュース公は言う


「白の国の噂話で聞いた事がある・・

エリンシア姫はエイル、エルトニアの本当の母親か?」

アーシュランは問う


「さあ・・私は知りませぬ」

何故かリュース公は真実を知らぬふりをした


「そうか いずれにしろ エイルの実の叔母で エイルが

とても慕っていたとエイルの父親から聞いていた この話は噂にならぬように 

伏せておこう・・」


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