第81話 帰還 雪深き巨人族の国へ

翌朝 巨人族の国へと帰る 解放された捕虜達と兵士の一団


その中の少し離れた位置に 二人・・アーサーとアムネジア

道には雪花の花ビラが舞う


「綺麗な花びら・・」


「もうすぐ黒の国も冬ね 巨人族の国も雪が降っているわ」


「そうですね エリンシア姫も子供も待ってます

ぜひ 今晩は私の屋敷で皆で食事をしましょう」アーサーは微笑む


「有難う‥ご馳走になるわ・・お土産も沢山あるし」


「黒の王にもらった白と黒の食材も沢山あります 召使に料理させます」


「有難うアーサー殿 それと 他にも私 エリンシア姫にお土産があるの」


荷物の中にしまっていた2枚の小さな絵を見せる


「これは エリンシア姫が可愛がっていた成長したリアン殿と

我が子のエルトニア姫とアルテシア姫と大人の姿だった頃のアーシュお兄様

その後の消息を知りたがっていたから・・」アムネジア


「これは きっと喜びます・・ん?あれ?

この淡い金の髪の青年 リアン殿ですが

斜めに肩に掛けたトーガで隠してますが・・右腕が」


「ないの・・先の戦 貴方が参加した 

あの白の国への侵略戦争の時より少し前の

別の戦いで 片腕をなくしたらしいわ」


「そうですか エリンシア姫は悲しみますね」アーサー


「そうね・・優しい人だから」


心の中で アムネジアは思う

この呪いの呪い入れ墨の本当の意味


そして 貴方の子供 身代わりになってまで 庇った我が子エルトニア姫に

私が何をしたか 知ったなら

貴方は悲しむわね そして私を憎むかしら?


いいえ・・恐らく きっと貴方は それでも 私を許す


きっと 全てを この呪いのまじないの入れ墨のせいにして

あのエルトニア姫と同じように


雪花の花ビラが舞う中を 巨人族の一団が通り過ぎる 故国を目指して

雪深い国 それぞれの家族 友人たちが待つ故郷へと・・

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