Nightmare

堅く閉ざされた空の向こうへ

無数に伸ばされた白亜の掌から

尽きることなく零れ落ちる饐えた吐息は

街を悉く赤錆に埋め

誰も彼もそして私自身も

へたり込むことさえ許されず

ただ自分の口から流れ出る泡が爆ぜるままに

嘲りの薄ら笑いに酔いしれ

束の間の空虚に溺れ

やがて訪れる目覚めの先に

蝕み砕かれることを知りながら

為すすべもなく

いつしかの終に焦がれ来る始に怯えながら

永遠に尽きることのない赤錆びた雨

Bad Dream

自分以外の誰かの目には

きっと眩く映る攻撃的な閃光に晒され

真後に舞い降りた長い長い漆黒の外

後退る道など知らない

全てを凍てつかせる冷たい風から窓を閉ざし

置き去りに埋もれ限られたまどろみの中で

現実よりももっと鮮明な悪夢を見よう

深い深い悔恨と誘蛾の灯火に惑わされ

何もかも区別がつかなくなった誰よりも先に

明日は闇に閉ざされ

すべては拒まれている


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