XRAY SIERRA OSCAR SIERRA

秒針の殺意から逃れるため

何度も巻き直す 日付変更線

自分とは噛み合わぬ歯車の中で刻まれ

紡がれていく物語を生きている人たちが

何気なく吐き捨てたノイズで構築された街

一歩 あゆみを進めるたびに

スクールエリアを逸脱していく スクランブルの鳥葬

真後ろに佇み 肩を掴んでいるのは誰?

口を開いた途端に零れ落ち

遠くへ流れ落ちていく 喧騒の中の遠いシグナル


全身に走る紅いヒビ割れを漆黒の翼で覆い隠し

毎朝辿る道の その向こうへ

偽りの物語へ身を沈め 日の光をやり過ごす

静寂を恐れ 星々の中を流離っていても

いつか訪れる夜の綻びは

ザラザラしたノイズの爪で

わたしの身体を引き裂いてしまうだろう

果てしなく立ち並ぶ黄色の点滅が

ブルーのGOサインに切り替わる前に

また 朝の顔を用意しなければ


ふと 傍らを過ぎるノスタルジックな面影は

常に赤黒く汚れた傷を隠し持つ

わたしは真後ろに佇む鴉の翼に身を委ね

どんな孤独の理由も許される星々の海を

今も彷徨い続けたまま


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