第10話 再会

 丁度僕は昼食をとっていたので、部屋にいたもう一人の駅員が対応する。


  彼は訪問者と少し話すと「西田さん」と僕の事を呼んだ。


 なんだろう、彼では対応できない事なのだろうか、と疑問に思いつつ、僕は箸を置いてドアの方へ向かう。


「どうしたの」


「お客様が、西田駅長の事を尋ねてきたみたいで。えっと、この人ですか?」と彼は訪問者に尋ねる。


 そこにいたのは一人の女性だった。身長と体格から高校生ぐらいに見える。彼女の顔を見た時、あれ、と思った。りんによく似ていたのだ。


  「はい、たぶん。りん、この人であってる?」と彼女は首を少し後ろに向け尋ねる。


 すると、彼女の背後からもう一人の少女が首だけ出して僕の顔を見る。「うん」と言いながら首を縦に振った。その小さい彼女は僕が雪の夜会った少女、りんだった。

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