第14話 My Heart

次の日。



「希沙良ーー、希沙良は休みか?」




≪……アイツ……やっぱり相当……≫





⚫ 希沙良家



「あ〰〰〰っ! 最悪……あれだけ濡れれば風邪引かない馬鹿はいないよね……」





⚫学校の放課後



「劉真君、昨日は楽しかったですわね?」


「………………」


「劉真君?どうかなさいました?」

「うるせーなっ! 俺に構うなよっ!」

「……劉真……君…?」







――― そう ―――



昨日のデートは


彼女が仕組んだ


嫌がらせだった


彼女が計画的に


私達を


会わせないように…………







そして ―――



「希沙良、この前はごめんっ!」

「何の話?」



私を呼び出し屋上に連れ出す侑木君。



「デートすっぽかして悪い!」


「………………」


「別に良いし! 用件はそれだけ? だったら私は教室に……」



グイッと私の手を掴む。



「希沙良っ!」

「何っ!? まだ何かあるの?」

「あの日、お嬢様が……」

「えっ?」



そこへ ――――




「劉真君。あら? もしかしてお邪魔だったかしら?」



私は掴まれた手を振り解く。



小田切さんが現れ、小田切さんは私に見せつけるようにさりげなく侑木君に自分の腕を絡めた。




「いいえっ! 私がお邪魔でしょう? やっぱりお似合いですね! それでは失礼しますっ!」


「希沙良っ!」



私は走り去った。



「………………」



屋上のドアを閉める。



ガクッ… スーッ……ポロッ……


私はドアに寄り掛かりゆっくりと腰をおろす。






『好き』


その想いに気付いた瞬間(トキ)


私の隣には


あなたはいない…………


いつの間にか


気付かないうちに


私の心にはあなたがいた






「おいっ! 許嫁だからっていい加減……」



お嬢様は俺にキスをしようとした。


唇が触れる寸前で止める俺。




「劉真君…もうっ! 照れ屋さん」


「好きでもねー女(ひと)とキスなんか出来るかよっ! 俺は心に決めている相手がいるんだからっ!これ以上邪魔すんなよっ!」


「えっ?……心に…決めてる方? …嘘…ですわよね…? 劉真君……」


「嘘じゃねーよ! 彼女とはずっと同じ人生を歩んできてんだ! 俺の事は諦めて新しい人見つけて違う人生歩めよ!」


「…そんな……」


「あんた位のレベルなら海外の方が良いんじゃねーの?」


「………………」


「これ以上、俺の人生に土足で入るのよせよっ! 俺達の邪魔すんなよっ! 俺は……あんたとは付き合えない……」


「劉真……君……」




俺はそこから去った。






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