第3話 彼の妹
ある日の学校帰り。
「おいっ! 愛理っ! こんな時間に何処に行くんだよ!」
彼・侑木君の姿。
「男友達ん所」
「はあぁぁっ!? だったら直行行けよ!」
「えー、良いじゃんか!」
「一回帰って行く位なら直行行けよ!弟や妹がいんだぞ! つーか、所詮、体目的に決まってんだろ! それでも行く気か?」
「良いじゃん! 別に! 私の事だし!」
「良くねーだろう!? もっと自分の体……」
「はいはい。じゃあ行ってきま~す」
「あっ、 おいっ! 愛理っ!」
走り去る彼女の姿。
「………………」
そして目が合う私達。
「希沙良」
「あっ、ごめん……見るつもりはなかったんだけど……帰り道だし」
「別に気にすんな! 仕方ねーだろ?」
「彼女、大丈夫?」
「あー、義理の妹。家族は家族だし。止めてもあれだ、!仕方ねーよ」
「兄ちゃん、腹減ったぞー!」
「うるせーなっ!先に食ってろ!」
「劉兄ぃぃ っ!」
「あー、もうっ! うるせーなっ! じゃあ気ぃ付けて帰れよ」
「あ、うん……」
そう言うと屋敷の中に入って行く。
「家での侑木君は…私の知っている侑木君だ…」
私は帰る事にした。
「クスクス…」
私はつい笑ってしまった。
学校の侑木君は違う人みたいで、
私の知っている侑木君と下の子に急かされる侑木君を見ると違う一面を見た気がする。
ある日の事だった。
「や、やだっ!離して下さいっ!」
「君~可愛いね~」
そう言う会話が聞こえ私はその場に向かう。
「お~じさん」
「ん? 何だね? おや?君も可愛いねぇ~というより美人よりかな?君もどうだい?」
ドカッ
股間を膝蹴りした。
「……っ!」
「バーカ。嫌つってんだから、とっとと引き下がれっつーの! エロ親父! 若い女ばっか狙ってないで妻や子供に貢げっつーの!」
私は女の子の手を掴み連れて逃げた。
「平気?」
「ありがとうございます」
「送ろうか?」
「いいえ、大丈夫です」
「そう? 気をつけて帰ってね」
「はい」
女の子は会釈をし、足早に去った。
ある日の夜 ―――
「ママ、ベビーシッターどう? 大変?」
「そうねぇ~元気な子供達ばかりで大変だけど、楽しいわよー」
「そうかぁ~」
「ええ。でも不思議な家庭環境なのよねぇ~」
「えっ? 不思議な……家庭…環境…?」
「そうなの。兄妹なんだけど似ても似つかなくて……11人兄妹なのよ。凄いでしょう?」
「はい!? 11人っ!?」
「6男5女。ママ驚いちゃったわ~」
≪そりゃ驚くよ……11人って……≫
「ねえ、ベビーシッターと言っても、どれだけの人数見てるの?」
「子供達、送迎して、0歳。1歳。の子供か
主だから」
「そうなんだ」
「上の子供達は協力的だから、そこまで大変じゃないわよ」
私は母親から話を聞くのだった。
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