9.

時が経った。どれほどの長さだったかは、知らない。でもほんの一瞬だったように思う。


いつものように「あほ」に呼び出された。

奴の隣に女がいた。同じように、真っ白な。


「あほ」の右手と女の左手が、しっかりと繋がれている。


ああ。


「おめでとう」


この瞬間を、どれだけ、どれほど待っていたことか。

この身こそが、その為に在るのだとさえ信じるほどに。


「ありがとう」


「あほ」は、とてもとても幸せそうに笑った。





彼は私を呼ばなくなった。

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