4分目 表と裏を紡ぐように
「まっ、待ってよ中里・・・り、林治。」
そうして俺は美里に背中から抱きしめられる。そのとき俺は少しだけぞくっとした。
「えっと・・・どうしたん?」
俺は少しだけ戸惑いながら彼女に問いかけると、
「こ、告白の返事っ!まだ・・・してないから。」
と、上目遣いで見てくる美里に俺はさらに惚れた。
「そ、それで・・・へ、返事は?」
流石にいきなり言われた俺は、何かもう、自分で何言ってるのかもわからないくらいに頭は真っ白に染まっていた。
「・・・わ、私もっ!」
と、美里が言って深呼吸を一回、二回・・・三回・・・四回・・・いや、多くね?とか言いながら俺も同じように深呼吸を何回もしていた。心臓から激しく鳴り響く鼓動を誤魔化すように。
「じゃ、じゃあ・・・返事するね。」
「お、おう。」
俺の心臓が跳ねたのを覚えている。そして、落ち着いて少しだけ2人だけの時間が流れる・・・いや、まず、ここに2人しかいないし。そしてだ。
「わ、私も・・・ずっと前から中里・・・林治のことが好きでしたっ!!だから私と付き合ってくれませんか?」
その時に俺は大声で叫んだ。そして、我に帰った後
「よろしくっ!ひより!」
と、一言。ただそれだけ。それだけでいい。
「へへへっ!よろしくね!林治!」
なんだろう、付き合ってからまだ数秒のはずなのに物凄い甘い空気になってるんだけど?何で?しかし、そんなのを無視してくるひよりの爆弾発言に俺は少しだけ固まることになる。
「ね、ねぇ林治・・・。」
「ん?何?ひより。」
「わ、私、ここで林治と・・・・」
「・・・ゴクッ」
俺は思わず生唾を飲んだ。そうすると、
「ここで林治とキスして思い出残したいな?」
それを上目遣いで見てくる。それに俺は可愛い死しそうになった。
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