第13話


 すっかり暗くなった街道をリョウとミリアは歩いていた。


 不安になったミリアはナルに幾つかの疑問を投げかけたが、その後ははぐらかされたように思えた。


 ナルは「自分で考えられるはずよ」と答えた。


 夜。すっかり暗くなった頃にちょうどリョウが訪ねてきた。


「お迎えよミリアさん。エリスはもう泊まっていきなさい」






「たくさん話せたかい?」


 暗い街道を歩きながらリョウが尋ねる。正面には街の灯り。エリスやナルのマスターの館は街の中心部から少し離れていた。修行や研究に集中するために、かつて彼女たちのマスターがそこを選んだということだった。


「エリスとも初めてゆっくり話せたわ。姉弟子の方もとてもいい人だったわよ」


 そう答えながら、ナルからの助言、「いざとなったら愛する人を守れ」と、その言葉が脳裏を巡っている。リョウがすぐそばにいるのならなおさら。



ふと聞こえる。


「守るのよ。愛する人を亡くしてまでのミッションってあるかしら」


 ナルさん?



「言い訳じゃない、どうしても、彼が欲しいの?」



「そんなこと。。。。。」



「前置きなんていいわ。愛するひとを守るのよ。あなた不器用だもの。目的を果たしても愛するひとが死んだら意味ない」



「なぜそんなこと」



「信じて。必ず、きっと大丈夫だから。あなたの愛すつひとはそこまでしないと気づかない。でも必ずわかってくれるから」




 夢のよう不可思議な感覚の中にミリアはいた。





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