11月30日(月) PM 22:30
ストレスは人を変える。ごくごく当たり前のことだけど、それを実感するのは案外少ないと思う。しかし、出張明けから一晩経ち、それに気がついた。
土曜日の夜から3日の間、奈良の大和郡山市で過ごした。ラブホテルのような外観のビジネスホテル、三方が空き地に囲まれており、人の灯りなんてものは道路を挟んだ先にあるコンビニ位しかない。ビジネスホテルだから当然静かで、部屋の中にいてもエアコンの音しかしなかった。
明けて今日、朝イチから移動し、午後から在宅勤務。部屋の中にいても、車が通る音、アパートの階下にある居酒屋のランチに来た客の話し声、近くにある幼稚園から聞こえる園児たちの邪気のない騒音…街中に声や音が溢れるいつもの日常だ。
しかし今日、1つ気がついた。それはいつの間にか日常に紛れ込んでいたアブノーマル、歌声だ。
そんなのは特別じゃないという人もいるだろう。ごもっともな意見だと思う。中野という街は夢追人と世捨人が共存し、安居酒屋に行けばちゃちな人生観と壮大な野望を語り合っているとこだ。夜がふけるに連れ、酔客が気持ち良さげに唄を口ずさみながら帰路を歩むときだってもちろんある。寂しさを紛らわすために母国の歌を歌う他国の人もいる。しかし、それはいつだって夜だ。
今まで陽が出ている内から歌っているような奴は園児以外はいなかった、と思う。だけど今日は、陽が落ちる16時までの間に日本人3人が歌っていた。その後の散歩中でも、自転車に乗っていた中年男性が歌いながら俺を追い抜いていった。全員酔っぱらっているわけではないのに。
2020年は新型コロナという災害に襲われ、僕たちは新しい生活様式で生きるのを余儀なくされた。そして明日からは12月、歳が変わる前の最後の31日が始まる。その現実に耐えられない人が、せめてもの慰めで、独りで唄っているのだろうか。
俺にできることと言えば「なんか良いことがあると良いね」と、無言で投げ掛けるくらいしかない。なぜなら、俺は街中で歌を歌うほど日々を戦っていない。深い絶望も、強いストレスもなく、浅い意識で日々を送り、弱い抗力意識を満足させるためにこうやって日記を書いてるだけのクズにしか過ぎないのだから。
12月、師走、街はクリスマスと感謝祭に溢れる総決算の月。俺はいつも通り少しだけ忙しく過ごし、笑ってはいけない◯◯をながら観しながら、何かやり残したような思いを抱えながら、2020年を終えるのだろう。
危機感も覚えることなく、自分の可能性が終わっていくのを知りながら、年々鈍っていく体と脳をぶらさげて、まぁいいやと、終わっていくのだろう。毎年そうなんだ、今年に限ってなどはない。
だけど今年は、少しだけ違うことをして歳を越してみよう。そうすれば2021年は2020年と違う歳になるかもしれないから。そんなことに望みを託すくらいには、俺も弱っているようだ。
だらだらと長くポエムを書いてしまった。これは日記じゃねぇよな、と思うけど、まぁいいやで片付ける。今日も変わらず俺でいられたことに感謝して寝ます。
そうそう、12月って春待月ともいうんだってさ。素敵な春を迎えられるように雌伏の月に出来るようにしたいもんだ。それじゃあね。
おやすみなさい、人類。
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