10月25日  AM 1:45

AM08:30 起床

AM09:00 勤務開始。

AM11:00 食事を摂る。みそ仕立ての雑炊。

PM15:00 食事を摂る。ピザ一切れ、クリームパン一切れ、レモン風味のメロンパン一個

PM16:30 勤務終了。

PM17:30 自宅を出る。

PM18:00 高田馬場着。パチンコ屋を2件下見、打てそうな台がないため移動。

PM18;20 飯田橋着。 パチンコ屋を2件下見。昔使っていた店の新台がよさげな調整だったので実践開始。

PM21:30 実践終了。

AM 0:00 帰宅。食事を摂る。豆腐ときのことキャベツの味噌汁とおにぎり一つ。

AM01:00 構想中の話のあらすじを執筆。

AM01:54 日記執筆開始。


今日はやむを得ない仕事により休日出勤をした、とは言っても在宅は変わらないし、休日だから早めに切り上げてパチンコ稼働をした。いつもは中野のいきつけに行くのだが、なぜか今日は昔稼働していた店を順々に回ってみようと思った。はじめは高田馬場、そこがダメだったら飯田橋、そこもダメだったら中野の行きつけというコースだ。ようは東西線沿線で回るのだ。


約4年前になるか、俺は神楽坂のゲストハウスに住んでいた。ゲストハウスと言えば、外国人を含めて旅好きな人が集う場所と思われる方もいるかもしれない。それは概ね間違っていないが、そこは一か月以上の契約が前提の長期滞在者向けのところだったので、外国人よりも派遣社員、就活目的の上京者、日雇い労働者、芸事を極めようとする表現者、近くにある早稲田大学の学生など、圧倒的に日本人が多かった。住んでいる人間は多い時で70人。割り当てらるのは部屋というよりカーテンと木枠で区切られたスペース(通称ブース)で、イメージとしてはタコ部屋といったところだ。住人は十人十色といったところで、今までの人生で会ったことが無いような変人もいれば、舌を巻くほど優秀な人間もいた。悪く言ったかもしれないが、ひとつだけ言えることがる。ここに住んだから物書きになろうと思えたわけで、人生の目標が見つけられた大事な思い出の場所なのだ。気が向いたら当時の話も書いてみようかと思うが、それは先の話になるだろう。


そこに俺は3年間住んでおり、徒歩圏内で開拓した店が高田馬場と飯田橋にあるのだ。中野駅から東西線に乗り、始めは高田馬場へ。ここにはAとBがあるが、2件とも回収モード。特にAは旧イベ日にも関わらず、まったくもって+の台が見つからない。はっきり言えば、等価交換だったころよりも調整が悪くなっており、データーランプも0回の台がチラホラ。


「交換時に多く手数料を取るようになったのに、行くたびに状況が悪くなってんじゃん。イベント日で土曜日のゴールデンタイムだっていうのに客飛びが半端ない。これは普段でもこんな感じなんだろう。相当経営が苦しいだろうな」。


そんなことを思いながらAを後にする。Bは高田馬場でNO1の集客力を誇る店で、店内はほぼ満員。空いている台と、遊戯中の台のデーターランプを見るが、かなりメリハリがついていた。Aと変わらない交換率で別になんのイベント日でもないが、日ごとに回収と還元のバランスをうまくとっている印象だった。特に北斗無双と大海物語、シンフォギア2がよさげな調整だったが、ほしい回転率には及ばなそうな台しか空いていなかったため退店。


飯田橋にはCとDがある。まずは駅の出口から近いCへ。ここは飯田橋で一番の保有台数を誇る店だが、特定の機種に力を入れているということはない。看板機種を置くよりも、島ごとの調整をする店だ。


入店すると客付きはスロットが7割ほどで、パチンコは6割ほど。1パチの方が人はいたが、4パチもなかなかの客数だ。店内をざっと見ると、なるほど……今日は北斗無双のようだね。ざっと見てみたらB店よりも試行回数は稼げそうだけど、今日の気分的に引ける気がしない。この気分というのはギャンブルをする上で重要だ。「これは打ちたい!」と思って打つのと「これでいいかぁ」で打つのは全く違う。「これだ!」と思って打って勝った時は、長年の実践で身に着けた嗅覚の正しさも合わさって、喜びが二乗する。北斗無双を見たときに「おー頑張っているねぇ」としか思わなかった。すると、後ろにあった新台の牙狼が空いた。導入されたばかりの大好きなビックタイトルだ。ざっと見ると、よりとへそが良かったため、1000円ほど試し打ちをする。打ち出した玉の流れを見ると、スタートへの寄り方にバラる気がある。きちんと盤面を見ると、道釘の一部が上げ調整となっており、ここで流れを狂わせていた。勉強になった気分と共に退店してDへ。


Dは小規模店だが、かつての常宿だ。毎月土曜日がイベント日になっているが、特に第1土曜日が一番の還元日だ。だからと言って、別の曜日がダメなわけではなく、曜日ごとでお勧め機種を変えてくる。知る人ぞ知る関東の名店の1つなのだ。行かなくなったのは、4年前のマックス規制で台が一新し、あまり勝てそうもない機種構成になったからだ。


久しぶりに入店すると、店の内装がリニューアルしていた。当時は、少し体を動かすと隣の人にぶつかるくらい狭かったが、多少は間隔が広くなっており、広めの喫煙スペースも設けられていた。だが、機種構成は相変わらず残念であった。客層は土地柄的にサラリーマンが多いからか、一発台や出玉スピードが速い台がメインのままだ。しかし、やはりかつての常宿。台のメリハリははっきりつけており、ちょっとATM行って軍資金を足してこようかと思えるくらい打ちたい台がチラホラある。おまけにパチンコの稼働は少なく、台が選び放題である。海物語とビックドリームで迷っていると、導入が始まったばかりの「ぱちんこ 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ キュゥべえver.」が4台空いていた。盤面を見てみると、明らかに一台だけ「打ってみたい!」と思える調整だった。閉店まで打ち切ろうと決めて打ち出し、50回転ほどで大当たり。投資は2000円。しかし、単発。その後、追加投資5,500円ほどした140回転後にラッシュへ突入して12連。8000発近くの玉を出る。少し回して稼働終了。甘デジで一撃で約30,000円ほど出たら上出来である。ほくほくで換金するも、返ってきたのは27,000円。どうやら28玉交換のようだ。玉貸し時に手数料を引いて、景品交換時に手数料を引くのはキツイな……だからあれだけの調整ができるのか。トータルでみたら今のマイホールの方がマシだな。


かつて愛したものの現状を知ることで、今愛しているものを更に愛せることがあるが、まさにそれだった。


帰りはかつて通り慣れた道を歩くことにした。飯田橋から中野へ。距離にして約7.5kmくらい。神楽坂の人はまばらで、見慣れた店に混じって新しい顔ぶれ。昔よく行っていた中華料理屋はあったけど、中華まん専門店やお茶専門店はなくなった。昔住んでいたゲストハウスは変わらなかったけど、玄関の窓ガラスに手書きのアマビエが貼ってあった。いつも高田馬場方面から帰ってくる途中にある100円の自販機は変わらずあったけど、昔大好きだった缶コーヒーはなくなって、そこには新商品が入っていた。コーヒー風味の糖分の塊には変わりないけど、なんか違うなと思ったから、温かいレインボーボスを買った。


早稲田は何も変わってないなと思ったけど、高田馬場が見えてきた辺りでブックオフを見かけなかった気がしてスマホで調べた。いつかは分からなかったが、すでに閉店していた。高田馬場はちょこちょこ来ているから、何も発見がないかと思いきや、ビックボックスの中にスシローがあることを知った。


あれから4年。今の俺はどうだろうか。フリマで1着500円の冬服を3年も着ることもなく、パチンコで負けすぎて家賃が払えなくなり、なくなく夜勤の工場バイトで稼いだ金を分割で払わせてもらうこともなくなった。夜中の公園で早稲田大学の学生が騒ぐのを、100円ローソンで買ったビックサイズのカップ麺とおにぎり、薄い野菜ジュースを食べながら眺めることもなくなった。


今は普通に独り暮らしが出来ているし、服だって好きに買える。飯だって金額を気にしないで食べられるし、パチンコだってあの時よりも勝っている。おまけにクレジットカードだって持っているんだ。


でも、何故こんなにあの頃が恋しいんだろう。あの3年の間に灯った野心と情熱は、いつの間に俺から旅だったんだろう。あの頃よりも確実に夢へと近づいているはずなんだ。……それなのに。


「かつて愛したものの現状を知ることで、今愛しているものを更に愛せることがある」と書いたが、俺は今の俺を愛せているんだろうか。何事にも感情が動かなくなり、ロボットのように日々をこなすことが大人の務めなのだろうか。社会人が果たすべき義務なのだろうか。これを続けることで、俺はどう生きたいんだろうか。


到底、楽しい生き方とは思えない。拒絶して明日さえも分からない夢追い人に戻りたいと思うけど、同時にそれがどれほど怖いかも知っている。これが正しい生き方であり、安全な生き方なんだろうけど、これが本当に俺の人生で良いのだろうか。



「好きなことを何をやっても良いけど、いずれかは1つに絞らないといけない」

へずまりゅうがドキュメンタリーの最後に言っていた言葉がよぎる。



好きなことをやれなんてただの脅しだ。

心が定まらない限り覚悟は定まらない。

覚悟がなければ続けることはできない。

続けることが出来なければ迷うだけだ。



俺は一体何をしたいんだろう。まぁいいや、やっぱりポルノハブを見た後に日記なんて書くもんじゃないな。やけに頭が冴えて考えすぎちゃう。


まぁいいや。いや、良くないかもしれないけど、今日はいいや。おやすみなさい。

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