第15話 あーあ


「凜今のままだと彰人君に嫌われるよ?」


由美が深刻そうな顔で教えてくれた。どうやら私のツンツンデレ作戦は失敗で、彰人を不安にさせてしまったらしい。


「もうすぐ彰人君の誕生日でしょ?何かプレゼントあげて、それをきっかけに素直になったら?」


1週間後には彰人の18歳の誕生日がある。確かにプレゼントをきっかけにっていうのは名案だ。ただ1つ問題があって…


「その// プレゼントに何を渡せばいいかわからない…」


彰人は物欲がないし、時計や財布といった思いつくものはこれまでの誕生日やクリスマスのプレゼント交換で渡してしまっている。つまりネタ切れ


「はぁ そういうと思った。これでペアルックなんてどう?」


由美が見せてくれたのは、土・日の二日間限定で高級ブランドの服がカップル限定の特別価格でとても安くなるという旨のネット記事だった。これなら買えるかも。


「かわいい!彰人に似合うのもあるし、これにするね!ありがとう!」


カップル限定だけど、サプライズで渡したいから彰人はダメ、お父さん会社で頼めない。クラスの男の子たちは彰人を不安にさせたくないからダメだし。あ!…


・・・・・


「もしもし?お久しぶりです大樹さん。土曜か日曜のどちらかで買い物に付き合っていただきたいんですが…」


「!ダメですか… わかりました」


ダメだった。そりゃ彼女いる大学生じゃ忙しいよね…


ん?通知?彰人からだ!


『土曜日さ、久しぶりにブラブラしない?ラーメンとかいこ』


彰人とのラーメンしか勝たん!


『いいよ』


『お?マジ?珍しいな じゃあ土曜の10時に家行くわ』


『りょ』



・・・・・・


金曜日の夜(ラーメン前日)


「凜!従兄の大樹君から電話!お母さん今手離せないから代わりに出て」


「はーい!」

何の用だろ?


「もしもし?大樹さん?どうされました?」


「その やっぱり土曜予定が空いたんだけどどうする?」


「え?!そうなんですか?」


彰人とデートしたいけど… 大樹さんいないとプレゼント買えないし…なんならプレゼントまだ決まっていないし…


「その…お願いします!」


「じゃあ駅前に10時半とかで良い?」


「はい!よろしくお願いします。失礼します」

仕方ないよね…ごめんね彰人 




「もしもし?ごめんね明日行けなくなった…」


「マジか…やっぱりラーメン嫌だったか?」


「違う!ラーメンは好きなんだけど…その他に大事な用事があって」


「そか…まぁ俺は予備校の友達と行くから気にすんなよ!これから何回でも行けるだろ?」

声でわかる。彰人が無理してるって。 ごめんね本当に…


「本当にごめんね!今度何か奢ります!」


「楽しみにしてる …… じゃあ、おやすみ」


「うん おやすみ」












更新できなくてすみません!あと少しで完結となります!よろしくお願いします!


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