第2話 幼馴染による看病
凜との買い物の翌日
朝起きると、体がだるく熱が38度もあった。どうやら風邪をひいたらしい。
この前風邪になった時、凜に事後報告したらこっぴどく怒られたので、しんどいがメッセージを送る。
「風邪ひいたわ。先生に伝えといてくれ。 あと今日の晩飯も大丈夫だから。」
すぐ既読がつく。
ん?トーク画面開いてたのか?
「うん それはいいけど 大丈夫??」
「正直大丈夫じゃない。」
うん。マジでつらい。メッセージを送るのもやっとだ。
「やっぱりいくよ? 栄養付けなきゃだし」
「来るな」
「いや来ないでください」
本当に来てほしくない。カースト最上位の凜にもし風邪でもうつしたら…
考えるだけでも悪寒がする。それに全国大会を間近に控えた凜にうつしたくないしな。
そして俺は気絶するように眠り込んだ。
~
物音で目が覚める。なぜか布団がかけられていて、おでこには、冷却シートが貼ってあった。母さんかな?取りあえず物音がするキッチンへ向かう。
「あ、彰人 大丈夫? すごい熱だったよ?」
「え?なんで?てか鍵は?」
「彰人のことだからどうせ無理してると思って、彰人のお母さんの会社にいって事情説明してもらったの」
「無理なんてしてないし、うつしたくないから帰ってくれ」
少し語気を強めると、頭に響いたのか目眩がして倒れそうになる。
「別にいいの。 それより寝!て!て!」
凜に背中を押されて、半強制的にベッドへ。不満はあるが、こうなった凜は止められないので大人しく従うのが賢明だ。
「お粥とか食べられる?」
「あぁ けど作るの大変じゃ」
「これくらいいいの! 風邪の時くらい頼ってよ」
「悪い じゃあお言葉に甘えて」
その言葉に笑顔になる凜。なぜこんなに優しく美人な凜に彼氏ができないのかと大真面目に考えていたら凜が美味しそうなお粥をもってきてくれた。
「ありがとう 凄くうまそう 食べていいか?」
「熱いから気を付けてね。 食べられる?」
「流石にいk・・あ、きついかも」
信じられないかもしれないが、人間本当にしんどいとスプーンを持つことさえも一苦労だ。
「スプーンかして 食べさせてあげる」
「え、いや」
なすすべもなくスプーンを奪られ、
無言でお粥を押し付けてくる凜。怖い。
恥ずかしいがどうやら拒否権はないらしい。
「わかったから!せめてフーフーは俺にやらせてくれ フーフー」
「はい アーン」
「どう?美味しい?」
不安気に上目づかいで俺に感想を求めてくる凜。何百回も凜のつくるご飯を食べているのに、未だに感想を言うのは緊張する。
「あぁ 凄く美味しい」
「あ、ありがと」
「いや、こちらこそ。ありがとう。。」
なぜか凜の顔が赤い 風邪やっぱりうつったか?
「ほ、ほらもっとあるから 冷めないうちに」
「お、おい 押し込むなって!」
お粥のおかげか少し体調が良くなった俺は安静に、凜は掃除をしてくれている。
「彰人 私そろそろ帰るね」
「ありがとう 正直助かった」
なぜか俺から視線を逸らす凜
「あ、これ今日の授業のノートね あと明日の朝食もつくってるし、病院の予約もしておいたから!」
凜様!あなたは女神ですか?
「マジで何から何まですまん 凜は本当に優しいよな」
「べ、別に大したことじゃないし それに誰にでも優しいわけじゃないよ?」
なぜか上目づかいの凜 本当に美人だなこいつ だが、言葉通り受け取って勘違いしてはいけないと自分を戒める。
「病人には優しいっていうわけね」
「…」
なぜか無言の凜 いや凜さん
「私もう帰るね お大事に」
「あ、あぁ」
どうやら俺は凜を怒らせたらしい。
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