第11話「謎が謎を呼ぶ」
少年銃士隊とエルマンの部下たちが当たった個人商店は、天文学的な数になったと言われている。
しかし、あるひとりの購入客の情報が目に留まった。
店主と会話した時、やたら「宮仕え」と言う言葉を乱発し、チップだと言って多額の金を置いていったのである。まるで、自分の存在を憶えて欲しいかのようだったと店主は語る。
レイ:どう思いますか?
レオン:現時点では分かりませんが、確かにこれはくさいですね。他の件と並行して、この線を追うべきだと思います。
GM:「たっ、大変ですっ!」
駆け込んできたユーリがバジルに手渡したのは、店主から例の客について聞き取って作った似顔絵である。
バジルはその絵をのぞき込んで、絶句した。
アンナを護衛していた、侍従のひとりだったからだ。
バジルは仲間たちのかおを見回し、宣言した。
「
◆◆◆◆◆
GM:では銀嶺城です。皆さんが到着すると、城の人間が慌ただしく走り回っています。
レイ:? 何かあったんですか?
GM:使用人の生活スペースが封鎖されていて、赤枝の騎士が警備していますね。皆さんを見つけたコランタンが手招きして、中へ入れてくれます。
バジル:ありがとうコランタン。
GM:「いいからはやく行ってください。エトワール隊長が待っています」
レオン:これは大ごとのようですね。急いでエトワール卿の元へ行きましょう。
部屋の中では、エトワールと数名の騎士が5体の死体を調べていた。
纏っているのは
彼らはアンナを護衛していた侍従たちだった。
アオイ:やられたっ! 先手を打たれました!
レオン:とにかく、話を聞きましょう。
GM:「服毒したようだ。これはかなり苦しんで死んだな。『姫を守れず王に申しわけが立たない。死んで詫びる』と言う遺書が連名で残されていた」
アオイ:うそくせぇ!
バジル:とにかくここを調べてみよう。
GM:では〔幸運〕で判定を。
レイ:〔幸運〕? 〔知力〕とかではなく?
GM:この限られた時間で何かを見つけるのは、運の領域ですので。
バジル:(ダイスを振る)よし、何とか成功した!
レオン:さすが主人公!
GM:死体が着ている服のひとつが、ポケットが二重になっていますね。中から小さな鍵が出てきます。
アオイ:何でしょう? わざわざポケットを二重にするなら大事なものかも知れません。
レオン:多分、執務机では? こんな小さな鍵が付いてますよね?
GM:ビンゴです! 中から本当の遺書が出てきます。内容は、「ちょっとした油断から弱みを握られ、『彼ら』の操り人形になってしまった。アンナ姫の誘拐に協力する様に言われ、紋章を渡された。せめてもの抵抗に土産物の紋章にすり替え、店主にチップを与えて証言が残るようにした。だが、きっと自分は殺される。あの時彼らの誘惑に乗らなければ……」などと書かれています。
アオイ:やはり消されましたか。
レオン:「彼ら」とは?
GM:詳細は分からないのか触れられていませんが、「教団」と名乗っていたそうです。
レオン:!!
バジル:どうしたレオン?
レオン:いえ、それより、アンナの居場所は?
GM:馬車を使ってヴァンスターへ運び込むそうです。今は街道を移動中でしょう。おそらくそこで……。
レイ:急ぎましょう!
GM:話を聞いていたエトワールが激を飛ばします。「ヴァレリーにこの事を連絡しろ! 軍馬をありったけ持ってこい! 馬術に自信がある者は私に続け! 追撃するぞ!」
バジル:エトワール! 俺たちも!
GM:「もちろんだ! 部隊を編成している時間は無い! 準備ができた者から出発するぞ!」
レオン:こちらも銃士隊詰所に連絡して戦力を出してもらいましょう。ここは総力戦です!
こうして、彼らが王立銃士隊を名乗ってから最初の大規模な戦いとなる、「
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