第7話「バンディッツ」

GM:さて、具体的に何か探索はしますか? まだやってない事はいっぱいありますが。


バジル:ああ、まだ現場に行ってないんだ。


GM:では現場は宝物庫というわけではありませんが、それに準じるくらいの部屋です。一番奥に空いたままの金庫があります。知力で判定してみてください。目標値は秘密。


バジル:(ダイスを振る)13。


GM:あー、1点足りなかった。アコさんも振ってみますが(ダイスを振る)16。余裕で成功。


レオン:頭いいなぁ。


GM:アコさんはキーホルダーのような金属の板を見つけてきます。「これは家にあるものじゃないですね」刻印がしてあって『バンディッツ』と刻んであります。


バジル:ヴァンディッツねぇ。これはどういうものなのかなあ。アコさん何か心当たりある?


GM:「ひょっとしたら弟の持ち物かもしれませんけど……」


バジル:じゃあジョエルに会いに行ってみるか。


GM:ジョエルは相変らず不貞腐れていますが。


バジル:ジョエル、現場にこんなものが落ちてたんだが、これは君のか?


GM:それを見るとジョエルは青ざめて言います。「し、知らない!」


バジル:何か知ってるんじゃないかい?


GM:「そっ、それは僕のものだ。ネックレスを盗み出した時に落としたんだ」


バジル:お前の持ち物なら、バンディッツって何だ?


GM:「何でもないよ! 山賊って意味だろ!」


バジル:何でもないならこんなもの彫る必要ないだろ。何かやってたんじゃないのか?


GM:「知らないね!」


バジル:ギルドを組んで冒険者をやってたんだろ? ギルド名じゃないのか?


GM:「か、関係ないだろ」


バジル:そんなこと言われてもな。まあいい。これは預かっておくからな。ギルド名なら神殿に問い合わせれば分かるだろう。



◆◆◆◆◆



GM:では二人は神殿に向かったと。レオンとレイはどうします?


レオン:冒険者通りと月光通りどちらで行くべきか……。ジョエルの事を聞いて回ろうと思うんだが、本当に冒険者なら冒険者通りだし、冒険者気取りの不良少年の集まりなら月光通りかと。


レイ:まあ、とりあえず冒険者通りから順に回っていきましょう。スキル《ストリートワイズ》を使って情報を集めます。


GM:ダイスを振って噂話を集めるスキルですね。目標値は10でいいです。


レイ:(ダイスを振る)出目は8。成功です。


GM:ではそれらしい証言を得られたと言う事で。「最近そういういいところのお坊ちゃんがギルドに入って、冒険者と言うよりコソ泥まがいの事をやってるって話だな。何でもリーダーに相当熱を上げてるみたいだな」


レイ:そのリーダーは男ですか女ですか?


GM:勿論女ですよ! そんなアッー! な話はやりませんよ!(一同爆笑)


レイ:いや、男として憧れているみたいな。


レオン:その場合は「熱を上げる」とは言わないだろう。もし言うとしたら阿部さんと道下君の場合だけだ(笑)。


GM:ごほん。では神殿組の方をやりましょうか。受付で事情を話して『ヴァンディッツ』を検索してもらうと、そういうギルドは存在するがクエストをこなして報酬を受け取った記録は一切無いということが分かります。


バジル:その構成メンバーは?


GM:ギルドマスターとして、ジョゼという女シーフが登録されております。メンバーはその他9名。住所としてとある宿屋の住所が記されていますが、バジルの知識によると、ここは既につぶれていますね。


バジル:警邏の時に確認したから間違いないな。


レオン:ペーパーカンパニーならぬペーパーギルドってわけか。怪しさ満点だな。


GM:アコさんも首を傾げつつ言います。「すると、どういうことでしょう? 虚偽申告って事ですか?」


バジル:うーん、その宿屋がつぶれる前に登録した可能性も無くは無いが……。


GM:それは調べれば直ぐ分かる事なので調べた事にして良いです。完全に虚偽申告です。真っ黒です。


バジル:あらら、やっぱり。まずはそのジョゼっていう女シーフを当たってみなければ。


GM:まあ、固有名詞が明らかになったので、ここで合流して情報交換すれば先が見えてくると思いますよ。


レオン:とは言っても、お互いが何処にいるか知らないんだが(苦笑)。


GM:それは自力で何とかしていただきたい。


レオン:エルマンの所と冒険者通りと月光通りのどこかってことで伝えてはあるから、その辺りを探せば合流できると思うけど。


バジル:それならエルマンに場所を聞くついでにジョゼの事を聞きに行こう。



◆◆◆◆◆



GM:エルマンは二人を見るなり。「お、仕事中に逢引きかい?」


バジル:あ、いやそんな事は……。


GM:バジルが否定する前にアコさんがきっぱりと「いえ、そんな事はありません」


バジル:それはそれでしょんぼりだ。あーあ、それだったら良かったのに……。


GM:「まあ、仕事サボって逢引きできるほど器用な人間じゃないからな、あんたは。もうちょっと上手に生きた方が良いぞ(笑)」


バジル:そんな事はいいや。それよりジョゼという女シーフの事を知っているか?


GM:「おう、金はさっきレオンから受け取ってるからいいぜ」意外に律儀です。二重取りはしない。


バジル:じゃあ、情報は?


GM:「バンディッツ」は冒険者とは名前だけで、こそドロや万引きのような行為で小金を稼いでいるチームのようです。ただし、リーダーのジョゼだけは中々の手練だと言う話です。で、最近儲け話をものにしたとかで、レアな工芸品の買い手を捜しているということです。


バジル:見えてきたな。すると鎖はジョゼのところにある可能性が高いな。じゃあ、レイとレオンにこの事を伝えないと。


GM:「あのふたりなら月光通りを回ってみるって言ってたぜ」


バジル:ありがとう。今度一杯飲みに行こう。


GM:「ああ、その時は奢れよ」


レオン:アコさんは裏街の元締めのところなんて行くの初めてなんじゃないの?


GM:そうですね。「さすがバジルさん。人脈が広いんですね」って感心していますよ。


バジル:ま、まあな、あははー。エルマン以外そんな人脈無いけど(笑)


GM:さてさて、合流して相談タイムと言う事で。


レオン:お、小隊長、それにアコさん。どうですか、首尾の方は?


バジル:鎖のありかが分かりそうだ。と言って状況を説明する。


レオン:ふむ。この月光通りでジョゼ以下ヴァンディッツの目撃情報は無いのかな? 行きつけの店とか?


GM:では目標値12の知力判定をやってみて下さい。


バジル:お、16。


レイ:惜しい、11。


レオン:14で成功。


GM:ではバジルとレオンはそれぞれヴァンディッツ行きつけの店の情報を得る事が出来ます。


バジル:では、そこで話を聞いてみよう。


GM:隊服のままで行くんですか?


レオン:じゃあいいや、どこか着替える場所を借りましょう。皆さんついてきて下さい。馴染みの店があるんです。


GM:月光通りに馴染みの店。なんと意味深な(笑)。

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