第8話「レオンの素性」
レオン:アコさんに言おう。世の中には表と裏がありまして、先程のエルマン等は裏の側の窓口役という意味では得がたい付き合いでもあります。
GM:アコさんはさっきバジルの事を流石って言ってましたからね。素直に頷きます。ではその馴染みの店、公式サプリメントのトラベルガイドにある『夜顔亭』です。
アマリアと言うヒューリンの女性が案内してくれます。「この部屋なら自由に使って良いわよ。着替えは奥の方に入っているものを使って頂戴」
レオン:ありがとう、アマリア。
GM:「たまには仕事抜きで遊びに来てね?」
レオン:そうですね。これが終われば。
GM:まあ、リップサービスか本当にそう思っているのかはレオンのみぞ知るということで。
レオン:人生には幾ばくかの秘密があったほうが面白いんですよ……(笑)。そんなわけで隊長と私は
GM:まあ、適当に着替えを借りていきましょう。
レオン:では私たちは席を外しましょう。
バジル:しかし、レオンは色んな店を知っているなあ。
レオン:隊長には話した事ありましたっけ? 私はこんな事があるのかと自分でも不思議に思うのですが、中途半端に記憶が無いんです。
何処で生まれたとか、自分の名前とか憶えていない。ただ、身につけた経験なんかの一部は残っているし、かすかに憶えている風景とかはこことは似ても似つかない場所であると思うのですが、それ以外の記憶が無い。
私を見つけてくれたのがさっきのアマリアだったんですが、彼女によるとここよりずっと西のある海岸に打ち上げられていたそうです。
バジル:それは初耳だ。
レオン:たまたまこの店の主人が出稼ぎで西岸地方に店ぐるみ移動していた時に、私を見つけて助けてくれたそうです。
バジル:そうだったのか。
レオン:まあ、その縁で彼女達の用心棒みたいな事をしながらこの街へと落ち着いて、今に至るわけです。おかげでこの街の人脈には不自由しません。
バジル:レオンも流れ着いたようなもんなんだな。
レオン:そうかも知れませんね。私にとっても銃士隊という場所は居心地がいい。
バジル:俺は記憶喪失じゃないから良く分からないけど、自分がいいと思うことをしていればそのうち記憶もひょっこり戻るんじゃないかな?
レオン:感謝するように笑って。そうですね。
バジル:その時はレオンの過去も聞かせてくれよ。案外凄い奴なのかな?
レオン:まあそんな会話は扉越しに中の二人にも聞こえているでしょうね。
レイ:普通の服は良く分かりません。これが一番良いでしょうか?
バジル:何だかその服ボロいな。ボロボロの服なんじゃないか?
レイ:(胸を張って)どうです? ガラが悪そうに見えますか?
GM:胸を張ったら袖の所がビリッって破けたり(笑)
バジル:それガラが悪いとかそういう問題じゃないから(笑)
レオン:(頭を押さえつつ)……アコさん、すみませんが見立てなおしてやってもらえませんか。
GM:「はい、そうします」と言ってレイをずるずる引っ張っていきます(笑)
「まったく、また面倒事を抱えて来たのね」
破けたレイの衣装を引き取って、アマリアは困ったように笑う。一見彼女のキャラクターに会わないようだが、これが本来の姿だとレオンは知っている。
「私も、誰にでも世話を焼く訳ではありませんよ? 私が好き好んで剣を振るうのは、本当に気に入った人の為だけです。勿論、あなたもその一人ですが」
軽口に軽口を返されたアマリアは、一瞬だけ驚きに目を見開くと、半眼になって言った。
「その殺し文句も、誰にでも言っちゃ駄目よ?」
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