4人目、女

 都合のいい女だと、自分でも思う。


 好きな男性が、ふたりいる。


 どちらと付き合うか。決めきれない。ひとりはやさしくて。ひとりは、かっこいい。


 親友もいる。彼女の隣にいると、安心する。本音をいうなら、彼女と付き合いたかった。でもそれは、許されない。わたしは、女で。彼女も、女だから。


 彼女は、欲求に忠実で、生きることを謳歌していた。自分とは、真逆のタイプ。わたしは、何をやるにも奥手で。卑怯で。自分から告白しないといけないのに。男性二人からの、告白を、いじきたなく、待っている。


 もうひとり。


 好きな人がいた。


「好きなひと、か」


 奥手な自分に。三人も、興味を持ってくれた人がいる。


 それだけで、満足すべきことなのかも、しれない。もともと奥手で、人付き合いがまったくできなかった自分に。四人も、そばにいてくれた。それだけで、充分なのに。


 身体は、人の温もりを求める。


 でも、誰に逢えばいいか、分からない。どう連絡していいか、分からない。


 きっと彼女なら、何も考えずに、連絡をするのに。わたしには、それが、できなかった。きっと、これからも、できないのだろう。

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